山崎法律事務所

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ナズナ想

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個人の債権者

私が弁護士に成り立ての頃,事務所の電話が出たら,このようなお話を聞いたことがあります。
「私はサラ金じゃないんですが,何か保護されるんじゃないんですか?」
どうも,ボス弁があつかった破産事件で配当が行われたようですが,その配当に不満があったようです。
そして,貸金業者のようにリスクを分散できない個人の債権者は保護されるのではないかとの申出でした。
破産法の立場は,配当があることが原則となっています。
しかし,実際には,破産手続開始決定ともに破産手続が廃止されて管財人が選任されることなく配当もされない同時廃止であるとか,破産手続開始決定が出て管財人が選任されても配当がなされなく破産手続が廃止される異時廃止の事案も少なくありません。
また,配当がなされても,1桁の前半のパーセントの配当率になることは少なくありません。
もちろん破産法で特別な地位を与えられている債権もあります。
非免責債権と呼ばれるもので,免責許可決定が出ても,その影響を受けず,全額を強制執行により回収する地位を認められている債権です。
税金などはこの代表格です。
それに対し,個人の債権者は,個人であるというだけでは,何の特別の地位を与えられることがありません。
法律相談センターで,このような相談を受けたことがあります。
近くに自分がお金を貸したのに破産した人がある。
その人が普通に生活しているのが悔しい。
きっと嘘偽りのないお話だったのでしょう。
破産者は,債権者にこのような思いをさせながら,法律により経済的立ち直りの機会を与えてもらいます。
だからこそ,2度と破産しないようにという決意だけは忘れてはいけないと思いますし,依頼者にはそうあってもらいたいと思っています。


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大分県人会

大分県人会に出席してきました。
私は,大分市寿町にあった大分県立病院で出生し,大分市立金池小学校,大分市立上野ケ丘中学校,大分県立大分上野丘高校と大分市で過ごしました。
私の名前に「寿」の文字が含まれているのは,出生地に由来するのかもしれませんが,名付けた父がすでに他界しているので確かめようもありません。
ちなみに,穴井さん,安東さん,伊東さん,一法師さん,衛藤さん,御手洗さんは大分県で特徴的にみられる名字ですので,周りにこのような名字の方がいれば,大分県出身であるとか,先祖をさかのぼれば大分県に通じるなど大分県に縁がある方かもしれません。
なお,「御手洗」さんは,「みたらい」さんと読みます。
ところで,私には,母が他界してから,大分には実家がありません。
大分に行って日帰りをしないのであれば,通常の旅行者と同じようにホテルや旅館を利用します。
私には,大分に帰るべき家はありません。
その意味では,私にはふるさとがないともいえます。
このような同郷の人が集まる県人会に出席すると,私自身のルーツを確認できたようで,ゆったりとした気持ちになることができます。
自己破産した場合,自宅が持家であれば,その自宅が破産手続が終わった後も残ることはまずありません。
その自宅が,どのように由緒があるものであっても,思い出深いものであっても,破産する前の状態で残すことは不可能です。
その結果,帰る家という意味でのふるさとを失うこともあります。
しかし,その場合でも,ルーツを確認する術は見つけられると思います。


遠征週間

今週は,4日連続で八代に行き,今日は天草に行きました。
弁護士の本拠地をどのように理解するかですが,都府県の行政区画と重なる地家裁の管轄として理解することもありますが,地家裁の本庁・支部の管轄ごと又は簡裁の管轄ごとに考える考え方もあります。
地家裁の管轄ごとに考えれば,私が八代に通うことも,天草に通うことも本拠地の中を異動しているのですから,特段遠征というわけではありません。
私は,依頼者の方に交通費をお願いするときには,この広い管轄で考えますので,熊本県内を異動する限りには交通費をお願いしていません。
他方で,法テラスが遠距離交通費を支払うときには簡裁の管轄が基準になります。
また,日弁連刑事弁護センター・国選弁護本部で議論するときには地家裁の本庁・支部ごとで検討します。
この2つの基準のいずれかで考えると,八代・天草に行くことは本拠地を離れていくわけですから,遠征と言って良いでしょう。
ところで,今日の裁判は,受託和解という手続で1回で終わりました。
受託和解というのは,裁判所が提案した和解案を原告と被告の双方が受け入れることで成立する和解ですが,遠距離の当事者の場合,書面で回答することができます。
もちろん,事前に原告と被告との間で協議が実質的に整っていることが必要です。
過払金返還請求訴訟を起こした後に当事者間で和解する場合,従来,貸金業者からの入金を待って訴えを取り下げるという方法を,私は採ってきました。
和解から入金まで1~2ヶ月程度でしたので,このような方法が採れました。
しかし,最近では,過払金返還請求訴訟を起こした後に和解をしても,入金まで4ヶ月以上かかることも珍しくなくなりました。
そこで,受託和解の方法を利用することが多くなりました。


電話会議

今週は,月曜日から今日まで連続して熊本地方裁判所八代支部での裁判がありました。
明日も八代です。
熊本県弁護士会の八代での法律相談センターの担当日です。
まだ2件ほど空きがあるそうなので,お近くの方はご利用ください。

ところで,地方裁判所と家庭裁判所で行われる裁判では電話会議で行われる手続があります。
例えば東京地方裁判所や大阪家庭裁判所で裁判が行われるとき,私は熊本の私の事務所で裁判所からかかってくる電話で会話をしながら手続きを進めるものです。
わざわざ遠方の裁判所まで行かなくて良いので時間の節約にもなりますし,依頼者の方に負担をお願いしなければならない交通費の節約にもなります。
この電話会議での手続は,弁論準備手続という手続で行われ,弁論という手続では行われません。
弁論準備手続と弁論の違いは,非公開の部屋で行われるのか公開の法廷で行われるかと理解すると理解しやすいかもしれません。
私が貸金業者を相手取って過払金返還請求を起こしたときは,相手方の貸金業者が弁護士を代理人に選任しない限り,電話会議での弁論準備手続がなされることはほとんどありません。
裁判所は,電話会議での弁論会議を行うについては当事者の意見を聞かなければなりません。
過払金返還請求に限らず,相手方が弁護士を代理人に選任していない場合には,私は電話会議による弁論準備手続については不相当の意見を述べています。
もし,弁護士が,弁護士でない者を電話口にだして電話会議をさせれば,弁護士でない者に弁護士の業務をさせた非弁行為という違法行為をさせたことになります。
非弁行為は犯罪ですので,弁護士がそのような行為をさせれば弁護士バッジを賭ける必要があります。
ところで,貸金業者で裁判で主張を行うなどの訴訟行為を行うことができるのは,代表取締役や支配人の地位にある人です。
しかし,代表取締役が電話会議で電話口に支配人でもない従業員を出したとしても,裁判手続上の効力が否定されることはあっても,弁護士の場合のような法的制裁はありません。
電話口の向こうにいる人が裁判上の手続きを進める権原のある人であるかどうかわからないのです。
だから,弁護士が代理人についていない貸金業者を相手取った過払金返還請求では,電話会議による弁論準備手続きをしていません。
ところで,第1回弁論はいくつかの裁判を一緒に行うことがあります。
私の前で,私が相手取っている貸金業者を相手取って過払金返還請求訴訟をしている別の弁護士が,裁判官から「次回は電話会議で」と言われて,「はい。」と答えていました。
私はあの弁護士に比べると心が狭いのかもしれません。


ご注意ください。

かつて消費者金融から借り入れていた経験のある方にダイレクトメールが届いているようです。
内容は,過払い金回収に関するものでした。
見せてもらいました。
わざわざ東日本から送られていました。
その中には,わざわざ「弁護士,司法書士に依頼すると手数料が高いです。」という記載までありました。
ということは,このダイレクトメールを送ったものは弁護士,司法書士ではないのです。
弁護士法72条では,弁護士でないものが過払い金請求を代理業務とすることを認められていません。
しかし,例外的に,140万円以内の過払い金請求については,簡裁代理権を有する司法書士が代理業務を行うことを許容されています。
すなわち,弁護士,司法書士でないものが,過払い金請求の代理業務を行うことはできず,これを行うと2年以下の懲役又は100万円以下の罰金の処罰を受けます。
もちろん,弁護士,司法書士でないにもかかわらず過払い金回収を行うものの素性次第では,途方もない不利益を被る危険性もあります。
費用が心配であれば,納得のいくまで弁護士,司法書士から説明を受け,納得のいく弁護士,司法書士に依頼するべきです。
どこの馬の骨とも分からないものに依頼するべきではありません。


取立行為と法的手続

自己破産をするにしろ,個人再生をするにしろ,任意整理をするにしろ,債務を整理することを弁護士に依頼すれば,貸金業者からの取立てを止めることができます。
これは,現代では,貸金業法21条1項が「貸金業を営む者又は貸金業を営む者の貸付けの契約に基づく債権の取立てについて貸金業を営む者その他の者から委託を受けた者は,貸付けの契約に基づく債権の取立てをするに当たつて、人を威迫し、又は次に掲げる言動その他の人の私生活若しくは業務の平穏を害するような言動をしてはならない。」と定め,その第9号で「債務者等が,貸付けの契約に基づく債権に係る債務の処理を弁護士若しくは弁護士法人若しくは司法書士若しくは司法書士法人(以下この号において「弁護士等」という。)に委託し,又はその処理のため必要な裁判所における民事事件に関する手続をとり、弁護士等又は裁判所から書面によりその旨の通知があつた場合において,正当な理由がないのに,債務者等に対し,電話をかけ,電報を送達し,若しくはファクシミリ装置を用いて送信し,又は訪問する方法により,当該債務を弁済することを要求し,これに対し債務者等から直接要求しないよう求められたにもかかわらず,更にこれらの方法で当該債務を弁済することを要求すること。」と,弁護士が依頼を受けた後の債務者本人に対する直接の取立て行為を禁止しているからです。
ところで,この規定は,貸金業者が法的手続きをとることまでは禁止していません。
弁護士が依頼を受けているにもかかわらず,貸金業者が強制執行を行うことは滅多にありませんが,全くあり得ないわけではありません。
債務整理を弁護士に依頼される方の中には,取立て行為が止まるので,弁護士に依頼することで問題が解決したと錯覚される方もいるように思います。
問題を解決するためには,免責許可決定,認可決定,和解契約などまで手続が進む必要があります。
弁護士に依頼することで問題解決の出発点にたつだけということは認識されてください。


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