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ナズナ想

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靖国参拝

終戦記念日でした。
今年の終戦記念日は,首相,閣僚はもちろん,副大臣などの政務三役に至るまで靖国神社に参拝しませんでした。
自民党政権では,閣僚の靖国参拝が為されていましたが,全閣僚が靖国参拝をしていたわけではありませんし,首相が靖国参拝をしない年でも閣僚が靖国参拝をしていたこともありました。
このような自民党政権に比べると民主党政権の徹底ぶりには目を見張るものがあります。

そこで,閣僚の信教の自由についてお話をしてみましょう。
かつて,当時の内閣総理大臣であった小泉純一郎氏が,靖国参拝を野党に追及されたとき,「私にも信教の自由がある。」と述べていたと記憶しています。
小泉氏は,そのほかにも「人生いろいろ」発言など,麻生太郎氏などが言ったならマスコミに思いっきりバッシングされそうなことを言っても,マスコミ人気が高かったこともあって,その発言が問題発言になることはなかったように思います。
この「首相にも信教の自由がある」発言も,問題発言だと思います。
憲法では,第20条で,「信教の自由は,何人に対してもこれを保障する。」と規定しています。
「何人に対しても」と書いていますので,首相も含まれると考えることもできます。
しかし,そもそも憲法は何のために生まれたかを考えると,この考えには重大な欠陥があります。
そもそも憲法は,国民が,国家機関に対して,この憲法を守らせることで,その権力行使を制限するために,作ったものです。
首相は,国家機関のトップに君臨する人間です。
その人間が,国家機関(ここでは地方自治体も含みます。)に対して国民に保障されている信教の自由を享受すると発言することは,法理論的に疑義があります。
また,信教の自由は,当然に布教の自由を有しています。
では,公務員である公立学校の教師でが授業時間中に受け持ち生徒達に布教をすることが認められているかといえば,憲法20条3校の政教分離により禁止されていると考えられます。
首相もまた然りです。
このように,首相に限りませんが,国家機関の構成員が,国家機関と対峙する立場である国民に対して保障されている憲法上の権利・自由を,国民と全く同じように保障されていると考えることは誤っていると思います。
この意味では,小泉氏の「首相にも信教の自由がある。」発言は重大な誤りを含んでいると思います。
ただ,首相が信教の自由を国民と全く同じように保障されていないとしても,閣僚の靖国参拝が直ちに違憲となるものではありません。
すなわち,閣僚の靖国参拝が違憲となるには,閣僚の靖国参拝という行為が政教分離に反することが必要にです。
この政教分離について判例は,目的効果論という基準を用いています。
この目的効果論というのは,①当該行為の目的が宗教的意義を持ち,②その効果が宗教に対する援助,助長,促進または圧迫,干渉等になるような効果を有するか否かを判断基準とするという考え方です。この目的効果論では,閣僚の靖国参拝は違憲にはなりにくいといえます。

話は変わりますが,私の父は傷痍軍人でした。
私の叔父はラバウルで戦死しました。
父は,普段涙を見せない人でしたが,この時期の閣僚の靖国参拝を批判する報道には,涙を見せて悔しがっていました。
一方で,閣僚の靖国参拝で不愉快な思いをする人々もいます。
他方で,閣僚が靖国参拝をしないことで悲しみを感じる人々もいます。
どこに支点を置いてバランスを取るかが,政治なのでしょう。
菅内閣の言動を見ていると,韓国に支点を置いているような印象を受けてしまいます。


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