山崎法律事務所

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ナズナ想

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食べログ事件

食べログというサイトがあるようです。
このサイトに,サイトに掲載されている店から有償で依頼を受けてこの店に好意的な書き込みをした業者が問題視されています。
確かに,どこかに食事をしようとして,馴染みの店が思いつかないときなど,グルメ本やグルメサイトを参考にします。
そのようなグルメサイトで,その店に好意的な書き込みがあれば,その店に行ってみようという気持ちになります。
インターネットの影響は大きいといえます。
ところで,逆のパターンもあります。
その店の評価を下げるような書き込みを敢えて行う人もいるようです。
それが,美味くないとか,不味いとかいう人によって評価だけでなく,事実(例えば器にゴキブリが入っていたとか,料金を2倍取られたなど)を書き込んでいると,これは好みの問題だけではなくなります。
このような書き込みは,その店の社会的信用を低下させたり,事実でない噂を流してその店の営業を妨害したと評価されることになります。
その場合,刑事的には名誉毀損,偽計業務妨害に当たりますし,民事的には損害賠償請求の理由となり得ます。
現実に売り上げが減少する店も少なくないと聞きます。
法律的には,こちらの問題も深刻だといえます。


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千原ジュニア骨折

千原兄弟の千原ジュニアが,駅で前を歩いていた女性が突然後退し,その女性がはいていたハイヒールに踏まれて足の小指を骨折したそうです。
これまでは,東京出張で地下鉄や山手線に乗るときには,ホームから突き落とされないようにであるとか,痴漢に間違われないようにとか,スリの被害に遭わないようにとかの注意をしていましたが,これからは前をいく女性がハイヒールを履いていれば,そのハイヒールで踏まれないように注意することも必要なようです。
ところで,この千原ジュニアの骨折も損害賠償請求をする余地があり得ます。
民法709条は,故意又は過失により他人の権利を侵害した場合には,損害賠償責任があると規定しています。
千原ジュニアさんは小指を骨折していますので,権利侵害を受けたといえます。
過失とは不注意のことです。
ハイヒールを履いていた女性が,不注意で千原ジュニアさんの小指をハイヒールで踏んだのであれば,過失により他人の権利を侵害したといえます。
社会では,他人から怪我をさせられる危険もありますが,他人に怪我をさせる危険もあります。
そのような場合に備えることが必要な社会のように思います。


一呼吸おく利益

弁護士に依頼する利益としては,まずその専門的知識を利用できることでしょう。
また,これは弁護士のスタイルにもよりますが,私のように依頼者を連れずに裁判所に行くスタイルの場合には,時間の制約を免れるという利益があります。
さらに言うならば,一呼吸おくという利益があります。
弁護士は,あくまで代理人です。
決裁権限を持つのは依頼者です。
依頼者の意向を無視して,調停をまとめたり,和解をまとめたり,契約をまとめることはできません。
依頼者がその場にいる場合,その場で決断ができます。
決断を迫られると言うべきかもしれません。
これに対して,弁護士だけがその場にいる場合,弁護士は結論を持ち越して議論を持ち帰ります。
少し時間的にも,場所的にも離れたところで,依頼者は,少し余裕を持って検討をすることができます。
その結果,その結論にメリットを感じなければ,合意にしなければよいのです。
私などは厚顔無恥なところがありますので,「依頼者の同意が得られなかったのでだめです。」と平気でいえます。
このように,弁護士に依頼すると,少し余裕を持って,問題を検討する利益もあります。


和解は仲直りにあらず

裁判所から出ると,目の高さにトンボが飛んでいました。
猛暑でもそろそろ秋です。
1つ和解が成立しました。

地裁本庁のロビーにモニターがあります。
裁判員裁判の紹介が流れているときもありますが,簡裁での裁判手続きを紹介する内容が流れているときもあります。
そこで,和解のイラストが描かれていることがあります。
裁判官と当事者の三者が,にこやかな笑顔で握手をしている絵です。
依頼者の方には,「あの人(相手方)となんか和解できません。」と言われる方もいます。
日常用語の「和解」には,仲直りという意味があります。
だから,件の発言が出てきたのでしょう。
しかし,離婚裁判の和解を考えてもらえればわかりやすいと思いますが,離婚裁判で和解をしたからといって,夫婦が元の鞘に戻ることはありません。
裁判で和解というのは,当事者が,条件面などで譲歩をして,裁判を終わらせるものです。
お金を請求している方はその請求額において我慢をし,請求されている方は払いたくないお金を我慢して払って,それでも判決よりもましと考えて,裁判を終わらせるものです。
判決と比べると和解は,控訴のような不服申立ができませんので,裁判は確実の終わりますし,当事者の自主的意思により合意したものですので,自発的に約束を守ってもらえる可能性が高いというメリットがあります。
だから,当事者は,我慢して和解をします。
裁判所で見るイラストのように,当事者双方がにこやかな笑顔になる和解には,なかなかお目にかかれないものです。


台風一過

台風一過と言って,台風が通過すると好天に恵まれることが多いようです。
ただ,台風18号では,東日本を中心に被害が出たようです。
さて,「台風の夜」お話しした平成3年に熊本に大きな被害をもたらした台風18号ですが,その被害はすさましいものがありました。
私が住んでいた中古アパートの屋根瓦はことごとく吹っ飛びました。
私の住んでいたアパートだけでなく,台風通過後の当時の熊本では,屋根瓦の供給が間に合わず,屋根にブルーシートをかけていた家屋が多く見られした。
また,私のアパートの前にパチンコ屋の駐車場があり,そこに駐車していた自動車があったのですが,その駐車場に立っていたパチンコ屋の看板が倒れて,自動車が看板の下敷きになったり,電柱が倒れて道の反対側にあるアパートに電柱が突き刺さったりしていました。
私が通っていた熊本大学でも,多くの樹木が倒れ,日差しが差し込むようになって,キャンパスが明るくなっていました。
ところで,屋根瓦が飛んで人に当たったり,自動車に当たったり,ここでのお話のように,看板が倒れて下敷きになって自動車が壊れてしまった場合,その屋根瓦や看板の持ち主に損害賠償を請求できるでしょうか。
実は,大きな台風が来た後の法律相談では,このような相談が割と増えます。
そのようなときには,周りを見てみると良いでしょうと答えることが多いです。
民法717条では,「土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは,その工作物の占有者は,被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし,占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは,所有者がその損害を賠償しなければならない。」と定めています。
この条文は,建物など土地に接着した設備で損害を被った他人に対して,設備の占有者は損害を賠償しなければならないが,占有者に落ち度がなければ,所有者に落ち度がなくても,所有者が損害を賠償しなければならないということを規定しています。
ですので,屋根瓦が飛んで,他人の自動車に傷つければ,その家の占有者に落ち度がなければ,その家の所有者が,その自動車の修理代を支払わなければならないとなります。
ただ,これも無条件にというわけではありません。
設置又は保存に瑕疵があること」が,必要な条件になります。
瑕疵とは,簡単に言えば欠陥のことです。
さて,話を「周りを見てみると良いでしょう。」に戻します。
仮に,台風が通過した後,外に出て周りを見てみて,自分の家の屋根瓦だけが飛んでいて,周辺の家の屋根瓦が飛んでいないのであれば,お宅の家の屋根瓦の設置に欠陥があった可能性があるかもしれないという仮説が成り立ちます。
この仮説が正しいとなれば,そのときに飛んだ屋根瓦で傷つけた自動車があれば,その自動車の修理代を支払わなければならないと思います。
これに対し,平成3年に台風19号におそわれた熊本のように,至る所で,電柱や看板が倒れ,家屋の屋根瓦がとばされているのであれば,自分の家の屋根瓦が飛んだのも不可抗力といわざるを得ないでしょう。
そうなると,そのとんだ屋根瓦で傷つけた自動車があっても,それは自然災害として,仕方がなかったといえると思います。
その意味で,台風の後は,周りを見てみると良いのです。



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