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山崎法律事務所


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弁護士コラム「ナズナ想」
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弁護士コラム「ナズナ想」

子どものために

離婚を多く扱っていると,子どものために離婚したくないと言う言葉は,よく聞きます。
「子はかすがい」という言葉もあります。
子どもがいたから夫婦の危機を乗り越えることができるという意味と理解しています。
ご高齢のご夫妻がインタビューを受けて,いろいろあったけど何とかやってこれたというお話をされていることを聞きます。
何とかやってくることができたことの大きな要因がお子さんがいらっしゃったことかもしれません。
そのようなとき,「子はかすがい」といえるのでしょう。
ところで,私の経験では,弁護士を依頼してまで離婚手続きを進める夫婦が復縁する可能性はとても少ないと思っています。
そのような段階で,お子さんの存在が,離婚のどれだけの障害になるのでしょうか。
離婚を求める立場としては,お子さんの存在も考慮した上で,離婚という結論を出し,弁護士に依頼しています。
すると,お子さんの存在は,折り込み済みです
離婚がお子さんに与える影響は小さくはありません。
子どものために離婚したくない。
ただ,既に別居が継続しているとき,離婚することが子どもに与える影響はどれほどでしょうか。 
そして,親である離婚当事者は,お子さんに与える影響を最小限にとどめることができるはずです。
お子さんにどのように説明をするか。
このとき,本当のことを説明すればよいというものではありません。
嘘をつけと言っているわけではありません。
人は立場が違えば見える景色が違ってきます。
ご自身が本当のことと思っていても,必ずしも真実に合致しているとは限りません。
お子さんの年齢,理解度,身上に配慮した説明が必要です。
さらに,面会交流の活用。
離婚の悪影響を小さくすることはできます。
「あなたのおかげで離婚をしなくてすんだ。」
子どもにそう言えるようになればよいと思います。
しかし,「あなたがいるから離婚できなかった。」
これは子どもにとってよいことではないのではないでしょうか。
 

尊厳死

米国で,尊厳死を実現するために,自ら命を絶った女性がいます。
私の理解では,末期癌患者の方などで,死を間近にして,極度の病苦に苦しむ人の苦痛を和らげて死に至らしめる後遺を安楽死というのですが,生命維持装置で生かされている状態の人から,その生命維持装置を取り外す行為,これも安楽死という概念に含まれるのですが,機械による生存を否定して人としての尊厳を保ってしむという意味で尊厳死と呼ぶことがあるというものです。
この意味では,米国の事例は,尊厳死というよりも安楽死に近いのではないかと思います。
大学院時代,法哲学のゼミで,死ぬ権利が憲法上保障されているかを考えたことがあります。
権利には,積極的な側面と消極的な側面があります。
例えば,表現の自由として,意見を発表する自由がありますが,意見を発表しない自由もあります。
同じように,聞く自由も,聞かない自由もあります。
すると,生存権,生きる権利にも,生きることを拒否する権利もあるのではないか。
みなさまはどうお考えですか。
教授は,憲法は積極的に生きようとする人を前提に考えているのではないかとの説でした。
死ぬということは多くの人に迷惑をかけるとの説の方もいらっしゃいました。
私は,臓器提供カードで,臓器提供の意思を表示していました。
私が死んだ後でも,私の心臓や角膜が誰かの体の一部として生き続けるなんてすてきなことです。
でも,今は臓器提供カードに意思表示をそのようにはしていません。
私が脳死状態になったとき,娘はどのように考えるでしょうか。
私と同じように考えるでしょうか。
それとも,最後の1秒まで奇跡を信じるのでしょうか。
そのときの娘の決断に委ねたいと思います。
人の死というのは,その死んでいく人だけの問題ではないように,思い始めています。

虚偽

週が明けると証拠調べ期日が続きます。
証拠調べ期日というのは,民事裁判,離婚裁判で,証人尋問や原告本人尋問,被告本人尋問を行うために開かれる裁判の日程をいいます。
この証拠調べ期日が行われるときには,裁判官は当事者の主張や提出証拠を基に,ある程度の判決の見通しを持っているといわれています。
そして,この証拠調べが行われると,ほとんどの裁判で,審理手続きは修了して,判決を待つだけです。
この尋問で,「虚偽」の事実を述べると,証人であれば偽証罪に問われて刑事処罰が加えられることがあり,原告本人や被告本人であれば過料という制裁を受けることがあります。
そして,この尋問を前にして,「虚偽」を述べないようにという点で緊張を感じる方もいらっしゃるようです。
ところで,法律用語と一般的な用語で意味が全く異なるものがあります。
よく例に出されるものとして,「善意」,「悪意」というものがあります。
一般的な用語では,「善意」は相手の利益を考えての行為に使い,「悪意」とは相手方に損害を加える目的での行為に使います。
しかし,法律用語では,「善意」というのは,事実を知らないこと,又は,事実とは異なるのに事実と確信していることをいいます。
例えば,Aさんがあるカメラの所有者ではないのに,Aさんをそのカメラの所有者と確信しているような状態を「善意」といいます。
これに対して,法律用語における「悪意」というのは,事実を知っていることをいいます。
「虚偽」についても,一般的な用語と法律用語では意味合いが異なってきます。
「虚偽」というと,客観的な真実に反することをいうことと理解している方が少なからずいらっしゃるようです。
そのため,自らが述べたことが客観的な真実に反していた場合を恐れてしまうようです。
しかし,法律用語としての,偽証罪などに問われる「虚偽」というのは,客観的な真実に反することをいうのではなく,その発言者の認識と異なる事実を敢えて述べることと理解されることが一般的です。
ですので,ご自身の記憶に従っていれば,結果的に客観的事実に反していたとしても,処罰や制裁の対象になり得ないとなります。
ご自身の認識を堂々と述べればよいのです。

まんだらけ考

アンティークおもちゃ専門店「まんだらけ」から鉄人28号の人形を万引きした人が逮捕されたそうです。
盗品の鉄人28号は,別の店に売却されていたそうです。
私の経験では,この鉄人28号の人形は「まんだらけ」に返還されるでしょう。
無償で。
すると,この万引きの形式的な被害者は「まんだらけ」ですが,実質的な被害者はこの鉄人28号の人形を6万4,000円で購入した別の店ということになります。
この別の店は何も得るものがないのに6万4,000円を失ったのですから。
では,今回の万引きをした人は,,この店にどの程度の金額を弁償するべきでしょうか。
6万4,0000円という回答はあり得ます。
私が弁護人として,盗品を購入した中古品店に対して,実質的な被害弁償を申し出たことがありました。
そのとき,その中古品店に,盗品を購入した金額の2倍程度の金額を示され,その金額でなければ被害弁償に応じないといわれてしまいました。
その中古品店曰く,中古品を購入する段階で,売価を決めているそうで,その売価分が損害になるそうです。
ですので,鉄人28号を購入した別の店に対して,被害弁償をするとすれば,「まんだらけ」が買い戻すとしても,6万4,000円ではとても足りない可能性は十分にあります。
ところで,「まんだらけ」は,顔にモザイクを施した画像を公開し,期限までに鉄人28号の人形を返還しなければ顔に施したモザイクを外すと述べていました。
これは,恐喝行為ではないでしょうか。
今回は,万引きされた鉄人28号の人形を取り返すためではありますが,正当防衛などが成立するときを除き,一端盗まれた物を盗み返すことは違法です。
窃盗,詐欺,恐喝などの犯罪は,そこにある物の外形的に安定した状態を守ることを目的にしています。
盗まれたとはいえ,その物について外形的に安定した状態が生まれると,たとえ持ち主であっても,これをみだりに犯すことができません。
さらに,ネット上で,万引き犯としてその顔をさらすことは,全世界にその情報が拡散する危険性あり,かつ,アップロードしたものであってもその情報を完全にネット上から消去することができません。
そのような害悪を告知して,物の交付を要求するのですから,恐喝行為だと思います。
万引き被害に悩まされる店側の自衛行為という評価もあり得るでしょう。
しかし,法律を尊重し,法律に従った解決を図ることが法治国家です。
そのような法治国家では,法律の手続によらずに自らの権利・利益を守ったりする自力救済は原則的に禁止されています。
犯罪の被害に遭いながら,その被害を回復するために自ら犯罪を犯してしまっては意味がありません。


刑事裁判所の役割

最高裁で,裁判員裁判での量刑が破棄され,減刑されたそうです。
事案は,児童虐待死(傷害致死)の事案で,求刑の1.5倍の量刑をしていました。
きっと,裁判員は,亡くなったお子さんに対して深く同情したのかもしれません。
児童虐待許すまじという観点には,共感できるものがあります。
他方で,刑事裁判所の役割としてはどうでしょう。
刑事裁判所は,訴追者である検察官も国家機関であることから,その第三者性が強く求められています。
中立な第三者として判断を下すのです。
その中立な第三者として,求刑を超える厳しい量刑の判決を下しても良いという考え方もあるでしょう。
しかし,中立な第三者は,基本的に情報に乏しい立場にあります。
令状主義という言葉があります。
逮捕や家宅捜索のような強制的な捜査をするには,裁判官が発行する令状を得て行われなければならないという原則です。
この令状という言葉は,「命令状」というように理解されがちです。
しかし,令状を発する裁判官は,自ら情報を獲得することができません。
そのような立場の裁判官が命令状を出せるわけがありません。
捜査機関がこのような捜査を行いたいというのに対し,裁判官が許可を出す理解するべきです。
すなわち,令状というのは「許可状」というように理解するべきです。
裁判においても,刑事裁判所は中立な第三者であることが要請されます。
仮に,刑事裁判所に対する中立な第三者であることの信頼が損なわれれば,被告人は「運が悪くて」処罰されたと感じるかもしれません。
これでは,被告人は更生の意欲を持つことができません。
最高裁が判決で,量刑の公平性を求めている実質的な理由はここにもあるのではないでしょうか。
刑罰の執行は,検察官の職責です。
その検察官が,刑罰の執行について裁判所に許可を求める手続が刑事裁判と理解することができます。
すると,刑事裁判所は,検察官が求めている刑罰を超えて量刑を下すことができないとの理解になるのではないでしょうか。

黄金の架け橋

小樽で4人の女性がひき逃げに遭い,命を落としました。
ひき逃げした加害者は,自ら110番をして逮捕されました。
この加害者は,直前まで飲酒をしていたそうで,飲酒の事実が発覚することを恐れたようです。
飲酒運転などもってのほかです。
「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律 」が制定され,より重罰化が進んでいます。
このような重罰化の流れの中で,ひき逃げの多発が憂慮されています。
ひき逃げにより,被害者に対する手当が遅れてしまうという危険があります。
結果として重大事故に発展してしまいます。
この小樽の事件も,4人を轢いたときに,飲酒をいていることからその場を逃げたそうです。
そこで,このような事案にも「黄金の架け橋」を架けてはどうでしょうか。
刑法43条では,何らかの犯罪を起こそうとしていている人が,結果を発生させることなく,自らの意思で,犯罪を続けることを辞めたときを「中止犯」として,処罰が減刑又は免除されます。
これは,犯罪を実行しようとするものに対して,後戻りの機会を与えるもの「黄金の架け橋」と理解されています。
ちなみに,身代金目的誘拐についても,誘拐した人を安全な場所で解放すると,処罰が減軽されます。
これにより,解放を促し,誘拐された人が殺害されることを防ごうとしています。
飲酒運転についても,厳罰だけではなく,その場にとどまり,被害者の救助に努めたときには,処罰を軽減又は免除されるという規程を設けるならば,ひき逃げを減らすことができるのではないでしょうか。
「黄金の架け橋」として,是非ご検討いただきたいものです。

有名税?

ある方からお電話をいただきました。
その方のご家族が,昨日の深夜11時30分ころ,私からの電話を受けたそうです。
その電話で,私は,その方の紛争の相手方から依頼された弁護士の私であると名乗っています。
そして,その方に対して,その紛争に関するある名目で,少額ではない金額の支払いを求めています。
弁護士が,深夜11時30分ころ,業務を行っていることは,それほど珍しい現象ではありません。
私も,未明までかかって,書面を作成したことは何度かあります。
しかし,誰かに対して電話をかけるときには,話が変わります。
弁護士は,司法試験に合格するために勉強ばかりして世間知らずと思っている方もいらっしゃるかもしれません。
世間知らずの部分はあるかもしれません。
しかし,深夜11時30分に,金銭の支払いを求めて,相手方に対して電話をかけるほどの世間知らずが弁護士にはいないと,私は思っています。
その電話をかけた輩は,ご丁寧に,私の事務所の電話番号を告げていました。
だから,その方は,私の事務所まで電話をすることができました。
しかし,その輩が告げた携帯電話番号は,私の携帯電話番号ではありませんでした。
そもそも,私は,相手方に対して,携帯電話番号を告げたりしません。
しかも,私の名前を読むことができなかったようで,私の名前とは若干異なる読み方で,名前をその方に告げていました。
あまり教養のある輩ではなさそうです。
私の偽物が登場したのです。
私の名前を告げれば,その方がおとなしく要求した金銭を支払うとでも思ったのでしょうか。
私も名が売れたものです。
ところで,虚偽の事実を告げて金銭を交付させると詐欺罪に該当することになります。
そして,金銭を交付させるために虚偽の事実を告げたが,結局金銭を交付させることができなかったとしても,詐欺未遂罪に該当します。
その輩はご存知だったのでしょうか。

「泣いてもいいんだよ。」

父の日に因んで,朝日新聞デジタルに,娘のために奔走する父親の姿を描いた動画が公開されています。
この動画では,お母さんは娘が幼いときになくなっているようで,娘が幼いときから嫁ぐまでを5分程度にまとめていて,音楽にももいろクローバーZの「泣いてもいいんだよ」が採用されています。
「泣いてもいいんだよ」いい歌ですね。
さすがは中島みゆきです。
私も熊本県弁護士会の副会長を務めていた昨年は,保育園が預かってくれる時間を過ぎて娘を迎えに行ったこともあって,この歌を聴きながら動画を見ていると感情移入してしまいます。
一人親家庭(父子家庭,母子家庭)は大変です。
私は,妻を亡くしていますが,妻の母のおかげで苦労という苦労をせずにすみました。
恵まれています。
しかし,子育てを手伝ってくれる人がいない一人親家庭はとても大変です。
インフルエンザがはやっているとき,お子さんが通っているクラスでインフルエンザにかかった子が出たりすると,その子からお子さんがどれだけはなれているかが気になるそうです。
お子さんがインフルエンザにかかると,5日間は学校を休まなければならなかったりします。
その間,お子さんの面倒を見るためにご自身も職場を休まなければならなかったりします。
日常的に子育てを手伝ってくれる人を監護補助者と言いますが,監護補助者の存在は大きいです。
そして,泣くことも大切だと思います。
きっと,気持ちが少し楽になると思います。
 



必死

関東では,依然と大雨に対する警戒が続いているようです。
私も,昨日まで関東にいました。
5日に東京霞ヶ関弁護士会館で,日弁連の国選弁護に関係する2つの会議に出て,6日に熱海に移動して1泊2日の合宿で行われる日弁連の刑事弁護センターの全体会議に出席しました。
7日には,熱海がある伊豆半島北部にも大雨警報が出ていました。
幸い,東海道新幹線には遅れもなく品川に戻りました。
さすがは日本が誇る新幹線。
ところが,品川発羽田空港行きの京急線のエアポート快特が運休してしまいました。
とりあえず,快特で京急蒲田まで移動して,横浜方面から来た羽田空港行きの快特に乗り換えました。
普段は浜松町からモノレールで羽田空港に向かっています。
この京急線のルートを使うのは,年に1回,熱海合宿のときだけです。
どれだけ時間がかかる変わりません。
羽田空港国内線駅に到着すると,とりあえず全力で走り始めました。
ただ,日頃の運動不足で,あまり長い距離を走ることができませんでした。
それでも,定刻の20分には保安検査場を通過することができました。
死ぬかと思いました。
ちなみに,使用する飛行機の到着が遅れて,出発が定刻から15分遅れました。
よくあることです。
ただ,必死になってがんばらなければ,15分遅れでも,その飛行機には乗れませんでした。

お導き?

遺産分割協議書を完成させるためには,相続人全員の実印と印鑑登録証明書をいただく必要があります。
例えば,甲という方がなくなって,A,B,Cという3人が相続人であれば,このA,B,Cの3人の実印と印鑑登録証明書をいただく必要があります。
では,Aさんが亡くなっていたら。
Aさんが甲さんより先になくなっていたら,Aさんは甲さんを相続することができません。
ただ,代襲相続ということは起きます。
Aさんが甲さんよりも後になくなったら,Aさんは甲さんを相続することができます。
そして,Aさんが相続した甲さんの財産を,Aさんの相続人が相続します。
Aさんが亡くなる前に,遺産分割協議書を完成させることができていなければ,Aさんの相続人の実印と印鑑登録証明書も,甲さんの遺産についての分割協議書を完成させるために,必要になります。
今日,Aさんの相続人の方の実印と印鑑登録証明書をいただくことができ,甲さんの遺産についての分割協議書を完成させることができました。
今日は,私のスケジュールの関係で,私から提案させていただいた約束でした。
しかし,今日がAさんの命日であったことは,知りませんでした。
「お導き」でしょうか?
写真は,そのAさんの相続人の庭にある池に咲いていた水蓮です。


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