熊本の弁護士|交通事故,離婚の山崎法律事務所

少年事件

弁護士に頼むと高い!!

今では、国内の2つの弁護士会を除く弁護士会で「当番弁護士」という制度があります。
この「当番弁護士」という制度は、警察に逮捕されて留置場にいる人が、1回だけ無料で弁護士にきてもらい、その弁護士に助言を求めることができるという制度です。
私も、この当番弁護士に登録しています。
これはもうだいぶ前のお話になります。
私が当番弁護士の出動要請を受けて、警察署の留置場に、面会に行きました。
当番弁護士の出動を要請したのは、未成年者でした。
私たちは、逮捕されて留置され、家裁に送られる未成年者を少年と呼びます。
私は、当番弁護士として出動した場合、その留置場にいる人が、事実関係を争っていたり、家族とも会えない状態であったり、示談などをすれば処分が軽くなる見通しがあったり、そして、留置場にいる人が少年であるときは、極力、その人の弁護人となるように心がけています。
その少年は、私に弁護人となるように要請しました。
私は、その少年から家の連絡先を聞いて、少年宅に電話をしました。
電話に出た少年の家族に尋ねたところ、少年の家は、一般的なサラリーマンが1年かけて得る収入を1月で得ることができる家庭でした。
その当時は、今と制度が違っていて、法律扶助協会(現在はこの団体はなくなり、法テラスが法律扶助協会が行っていた事業を受け継いでいます。)から弁護士費用の援助を受けるためには、家庭の収入が一定のレベルに達していないことが必要でした。
そこで、私は、少年の家庭で弁護士費用を用意してほしいことと用意すべき弁護士費用を伝えました。
すると、少年の家族は、そのような費用は用意できないので、弁護人にならなくてもよいと私に伝えました。
さらに、少年の家族は、少年に面会し、少年にも、「弁護士に頼むと高いから頼まない。」と伝えました。
家族からその言葉を聞いた少年はどう思ったのでしょうか。
一般的なサラリーマンが1年かけて得る収入を1ヶ月で得ることができる家庭であることは、少年にもおおよそわかっているはずです。
私を「ぼったくり弁護士」とでも思ったでしょうか。
少年がそう思ってくれたのであれば、救いです。
もし、弁護士の援助を受けたいと願っていた少年が、「弁護士に頼むと高い」の一言で、弁護士費用を捻出する余裕が十分にある家庭であるにもかかわらず、弁護士を頼んでもらえなかったと感じたとすれば、少年はその少年の家族からの愛情を感じることができるのでしょうか。
その少年とその少年との家族の関係は・・・これは余計なお世話かもしれません。
私は、その少年が留置場にいる10日間で6回ほど面会に行きました。
もちろん無報酬でした。
最後に面会した日、少しふてくされ気味の少年が、別れ際に涙ぐんでいたことを覚えています。
一覧ページに戻る
top

熊本の町医者的法律事務所です。
法律の専門家に
お気軽にご相談下さい。