熊本の弁護士|交通事故,離婚の山崎法律事務所

交通事故

そんなに高くは・・・

交通事故にあった被害者が、加害者に賠償を請求できる損害としては、治療費、入院雑費、通院交通費、葬祭費、弁護士費用、休業損害、後遺症による逸失利益、死亡による逸失利益、入通院慰謝料、後遺症慰謝料、死亡慰謝料などがあります。
そして、これらの損害は、交通事故が多く発生していることから、ある程度目安となる金額があります。
以前、20歳前半のお子さんを交通事故で亡くされた親御さんから、損害賠償請求の依頼を受けたときのお話です。
その親御さんは、私に、給料分だけでも1億円は超えるといいました。
私は???です。
その親御さんは、私に説明しました。
そのお子さんの1月の給料を12倍し、これに定年までの年数をかけたというのです。
さらに、親御さんは、これにはまだボーナスの金額を加えてないといいます。
でも、裁判では、このような計算には成りません。
まず、計算の基礎となる収入ですが、これは、実際の年収が計算の基礎となりますが、30歳までの被害者の場合、厚生労働省が調査してまとめた賃金センサス(年収の平均のようなもの)と実際の年収の高い方を基礎とします。
そして、これに定年までの年数をかけるなんてことはしません。
「明日の100より今日の50」ということわざがあります。
来年の年収を今年取得する「利益」というものがあります。
40年後の年収を今年取得する「利益」というものがあります。
この「利益」を中間利息といいます。
損害賠償制度は、損害の公平な分担を目的としていますので、中間利息までは加害者に負担させないこととなります。
すなわち、この中間利息を引かなければ成りません。
すると、来年の年収の分は、今年の基礎収入×(1ー来年までの中間利息)となります。
40年後の年収の分は、今年の基礎収入×(1-40年後までの中間利息)となります。
これを2年後、3年後、4年後、5年後とすると、それぞれの年の年収分について、上と同じ式が成り立ちます。
逸失利益とは、来年の分+2年後の分+・・・・・・・+39年後の分+40年後の分+・・・・と定年の年までを足したものになります。
この式に数学の分配の法則を適用すると、今年の基礎収入×{(1-来年までの中間利息)+(1-2年後までの中間利息)+・・・・・・・+(1-39年後までの中間利息)+(1-40年後までの中間利息)+・・・・}というように今年の基礎収入でくくることができます。
そして、この{}内を計算して出た数字にライプニッツ係数とか、ホフマン係数とかがあります。
一般的にはライプニッツ係数というものを使います。
さらに、人は霞を食べて生きていけません。
人が生きるとお金がかかります。
他方、亡くなった人には、生きるためのお金がかかることはありません。当然です。
ですので、この生きていたならばかかった金額は、損害から引くべきとなるのです。
これを生活費控除といいます。
男性単身者の場合50%が、女性、一家の支柱の場合40%が生活費控除の割合です。
結局、死亡による逸失利益は、基礎収入×ライプニッツ係数×(1-生活費控除)で求めることになります。
年収に単純に定年までの年数をかけた金額よりは遙かに少なくなってしまいます。
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