熊本の弁護士|交通事故,離婚の山崎法律事務所

刑事事件

電車痴漢事件最高裁逆転無罪

テレビに映された元被告人である防衛医大の名倉正博教授の顔は晴れやかでした。
報道の限りでしたが、最高裁が、この事件について無罪と判断した理由は至極もっともなものでした。
名倉教授の戦いに敬意を示すとともに、ご苦労をねぎらわせていただきたいと思います。
さて、名倉教授は、その記者会見で、闇の中で泣いている無実の者たちが多いことを指摘しました。
その通りだと思います。
私が弁護した被疑者、被告人の中には、身に覚えがないけど、事実を認めなければ外に出るのが遅くなるし、どうせ裁判所は起訴された事件は有罪と判断するから事実を認めようかと述べた者もいました。
身に覚えがないと戦ったが、有罪判決を受けた被告人もいます。この事件で、起訴状に記載されている被告人の被害者に対する脅迫文言を被害者が供述したのは、5通目の供述調書が初めてでした。この点について、裁判所は、たくさん脅されたのだから忘れていたのだと判断しています。
しかし、この被害者が、この脅された直後に会った交際相手の供述調書にも起訴状に記載されている脅迫文言は出てきません。この交際相手は、このときを最後に、被害者が被害届を出した後まで、被害者に会っていませんでした。つまり、この交際相手は、ほかの場面と混同する可能性がないにもかかわらず、起訴状に記載された脅迫文言は強烈な印象を残す台詞であるにもかかわらず、その脅迫文言を覚えていませんでした。すなわち、被害者が思い出せなかったのでなく、そもそもそんな脅迫文言は存在しなかったと考えることができます。この調書を、裁判所は採用しませんでした。
しかし、弁護人である私と、検察官は、その調書の内容を知っています。裁判所のこの「忘れていた」という判断が間違っているということを検察官も知っています。
この被告人は、私に、福岡高裁での弁護をしてもらいたいとの意向でしたが、私は、熊本地裁での国選弁護人でしたので、その意向に応えることができませんでした。
この被告人は、控訴をあきらめました。
映画「それでもボクはやってない。」で、このような下りがあったように記憶しています。
"あなたが裁かれたいように私を裁いてください。"
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