熊本の弁護士|交通事故,離婚の山崎法律事務所

刑事事件

二題

今日は、興味深いニュースが2つありました。
1つは足利事件です。
被害者の下着に付着していた体液のDNAと菅谷利和受刑者のDNAが一致しなかったそうです。
元検察官とか、元警察官とかの方のおっしゃることには、これだけが有罪の決め手ではないので、再審無罪になるとは限らないそうです。
そう言われてみればそうかもしれません。
しかし、再審開始に向けての、また再審無罪に向けての大きな前進であることには違いありません。
特に、下着に付着していた体液が、汗ではなく、精液であれば、これと受刑者と一致しないのであれば、この受刑者以外の何者かが関与していたという合理的疑いを差し挟むことができる大きな根拠になると思います。
この受刑者は、無期懲役の確定判決を受けていたそうです。
死刑に次いで厳しい刑罰です。
もう1つは、和歌山毒物カレー事件です。
最高裁が、林真須美被告人の上告を棄却して、死刑判決が確定しました。
無差別に4人も毒殺して、後遺症が残っている人もいて、責任逃れに否認をしていれば、そりゃ死刑になるでしょう。
そして、被害者の方が、記者会見をしていました。
ところで、和歌山毒物カレー事件の被害者の方が、被告人を犯人と思う根拠は何かな?と考えてみました。
被告人が、犯人として警察に捕まって、最高裁まで行って有罪が確定したからという以外の根拠は何かなと考えてみました。
平成21年4月7日の「まだ契約書を作っていないから安心???」でお話ししましたが、裁判は証拠をそろえた方が勝ちます。
これは刑事事件についても同様だと思います。
刑事事件での99%の有罪率。
これは、もちろん大部分の事実関係を争わない事件を含んでいます。
そして、大部分の事実関係を争わない事件には、平成21年4月14日の「電車痴漢事件最高裁逆転無罪」 でお話をしたように、争って長引くより、略式命令や執行猶予で早く出られるのならと認めている事案も含まれています。
そして、事実関係を争っている事件(否認事件)においての有罪率は97%です。
これも考えてみれば、検察が、強大な人的・物的組織を有し、裁判官が発する令状により相手方の意思を制圧してでも証拠を収集することができる警察が収集した多くの証拠から選りすぐった証拠を裁判所に提出します。証拠がそろっている方が勝つという裁判の原則に従えば、無罪になることはとても難しいといえます。
もちろん、刑事訴訟法という法律は、検察官が証明できないときは無罪判決を下すように規定はしていて、修正はしています。
しかし、富山県の氷見事件のように、有罪判決が確定して服役した後で、別に真犯人がいることが判明した事件もあります。
無実の人間でも、検察官が証拠をそろえることができれば、有罪にすることができる。
その危険性が、裁判にはあります。
一覧ページに戻る
top

熊本の町医者的法律事務所です。
法律の専門家に
お気軽にご相談下さい。