熊本の弁護士|交通事故,離婚の山崎法律事務所

損害賠償請求

内容証明を送らなければ裁判を起こせない?

おもしろい話を聞きました。
内容証明を出さなければ、訴状を裁判所に提出できない(裁判を起こすことができない。)という情報が、ネット上で流れているそうです。
先日、「行政書士さんのサイト」で、専門外の分野(というか、代理人として決して業務をなしえない分野)について、専門サイトを作ってまことしやかな話をしている士業(弁護士、司法書士、行政書士など○○士という職業の人々のことです。)の方がいるという話をしました。
しかし、この内容証明を出してからでなければ訴えを起こすことができないなんて、もはや「都市伝説」です。
以前、友人の司法書士から、代理人として裁判を起こしたところ、相手方代理人である司法書士から、「そもそも裁判を起こす前に内容証明を出すべきだ。」と非難されたそうです。
さらにこの相手方代理人の司法書士は、私の友人の司法書士に、「おまえの司法書士登録は何年だ。」と、自らが先輩であることをアピールしていたそうです。
そもそも、司法書士に限らず、弁護士に限らず、代理人として業務を行うときには、先輩・後輩の関係は関係ないはずです。
話はそれましたが、司法書士さんの中には、訴えを起こす前には内容証明を出さなければならないと考えている方もいるようです。
しかし、民事訴訟法のどこにも、訴えを起こす前に相手方にないよう証明を出さなければならないとは規定していませんし、そんなことをしている弁護士にあったことがありません。
内容証明を出すメリットはあります。
まず、内容証明を出したところ、相手方が話し合いに応じてきて、裁判を起こす必要がなくなることはあります。
次に、消滅時効や取得時効の完成が目前であり、裁判を起こすのが間に合わない場合など、内容証明を出して催告をして、その内容証明が相手方がついて6ヶ月以内に裁判を起こすことによって、消滅時効や取得時効が完成することを防ぐことができます。ただ、この場合でも、消滅時効や取得時効が完成するまでに訴状を裁判所に提出すればよいのですから、内容証明を相手方に出すことは必ずしも必要ではありません。
第3に、遅延損害金の発生時期をはっきりさせることです。契約違反(法律用語としては「債務不履行」)では、催告(債務の履行を求めること)のときから遅延損害金を請求することができます。通常は、訴状が相手方に到達した日の翌日から遅延損害金をつけますが、訴状が相手方にいつ到達したかをわざわざ裁判所は教えてくれませんし、1日でも早く遅延損害金を払わせたいと考えているのであれば、裁判を起こす前に内容証明を出して遅延損害金を発生させておくことができます。しかし、交通事故や不貞(浮気)などの不法行為の損害賠償金・慰謝料は、その交通事故や不貞などの不法行為の日の翌日から遅延損害金を請求することができますので、このような場合、内容証明を相手方に送るメリットはないといえます。
相手方に内容証明を送らなければ裁判を起こせないということはありません。
そのような話は、きっと都市伝説でしょう。
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