熊本の弁護士|交通事故,離婚の山崎法律事務所

離婚

養育費の一括請求⑵

養育費を一括して支払ってもらえるかについては関心が高いようです。

確かに、現在の経済情勢もさることながら、相手に対する不信感いっぱいで離婚するのですから、一時に養育費を支払ってもらいたいと考えるのももっともなことです。

もちろん、契約自由の原則(どのような内容の契約を結ぼうとも自由であるとの原則)があります。

そのため、当事者間で、養育費の一括払の合意をすることは可能です。

もちろん、相手方が合意すれば、養育費の支払について連帯保証人をつけてもらえるかもしれません。

調停も、当事者の合意が必要という点では契約と共通すうことがありますので、当事者が合意すれば、一括払の調停ができるかもしれません。連帯保証人については、調停の当事者ではないので、調停の内容とすることは難しいと思います。

では、相手方が、養育費の一括払に応じなかった場合に、裁判所から養育費の一括払の審判をしてもらうことができるのでしょうか。

これについては、東京高裁で、「元来未成熟の子に対する養育費は、その子を監護、教育してゆくのに必要とするものであるから、毎月その月分を支給するのが通常の在り方であつて、これを一回にまとめて支給したからといつてその間における扶養義務者の扶養義務が終局的に打切となるものでもなく、また遠い将来にわたる養育費を現在において予測計算することも甚だしく困難であるから、余程の事情がない限りこれを、一度に支払うことを命ずべきでない。」との決定が出たことがあります。さらに、「仮りに一度に支払うべきものとしても、その計算方法はホフマン式により中間利息を控除すべきで、抗告人の主張するように、単に一ケ月に要する費用をその養育年数に乗じて計算すべきでない。」と述べています。

これは、審判では、原則として一括払いを認めないということです。

そして、例外的に一括払いを認めるときでも、1ヶ月の養育費×養育年数とはならず、中間利息を控除するべきと言っています。

例えば、毎月の養育費が2万円で、養育期間が15年とします。

この場合、2万円×12カ月×15年=360万円となるのではなく、2万円×12カ月×10.981=263万5、440円となる可能性が高いです。

ちなみに、10.981は、15年間の中間利息を控除するときに使う新ホフマン係数ですが、近年はライプニッツ係数を使う場合が多いのですが、ライプニッツ係数を使うともう少し金額が少なくなるようです。

ところで、長崎家裁で、養育費の一括払いを命じた審判がありましたが、これは日本人母と中華民国人父との間の子に関するもので、この審判でも、一括払いは例外的なものだとの判断が示されています。

ですので、相手方が合意しなければ、養育費の一括払いをさせるのは、難しいと考えたほうがよいといえます。

 

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