刑事事件
保釈について二題
今日は、保釈について2つお話をしようと思います。
1つ目は、保釈に際して、病院を住所とできるかということです。
酒井法子さんが保釈されて、病院に入院したことについて、東京の弁護士さんが、朝のワイド番組でコメントをおっしゃっていました。
それによると、病院を住所とした保釈決定はなされないそうです。
きっと、あの東京の弁護士さんは、病院を住所として保釈請求をして、その請求が許可されたことがないのでしょう。
通常、保釈が許可される場合、居住するべき住所は、起訴状に記載されている住所になりますが、それ以外の場所を住所とする合理性がある場合には、起訴状に記載されている住所でない場所を住所として、保釈許可決定がなされることがあります。
そして、病院を住所とした保釈許可決定はなされることがあります。
それは、私は、私が弁護をしていて、保釈されていた被告人について、入院の必要があったので、裁判所に、入院のため、保釈条件とされている住所を病院とすることで認められたことがあります。
その被告人は、控訴審判決後に上告して、さらに保釈請求をして許可されましたが、その保釈条件となっている住所は、入院先の病院でした。
ですので、酒井法子さんは、入院予定の病院を住所として、保釈が許可されている可能性があります。
2つ目は、保釈されていれば、実刑はありえないかということです。
確かに、執行猶予や無罪が見込まれる事件のほうが、実刑が見込まれる事件よりも保釈が認められそうに思えます。
私は、6人くらいが起訴された事件で、そのうちの1人の被告人の弁護を担当したことがあります。
そして、その事件では、6人の被告人全員が保釈請求をしましたが、1人だけ保釈が許可されませんでした。
その事件では、その1人だけが実刑で、保釈が許可されていた5人はすべて執行猶予付き判決でした。
この事件を見れば、実刑では保釈許可があり得なさそうです。
しかし、私は、保釈中の被告人について、実刑判決がなされるという経験を何度か目の当たりにしています(保釈中の実刑判決)。
執行猶予付きの判決や無罪判決が予想されるほうが、実刑判決が予想されるほうよりも保釈が許可されやすいとは言えるかもしれません。
しかし、保釈が許可されたから実刑判決がないとは言えないようです。
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