雑談
政権交代
民主党が圧勝し、民主党を中心とする政権が誕生することとなりました。
これまでは、昭和30年(1955年)の保守合同以来、細川内閣の一時期をのぞいて、自由民主党政権が続きました。
半世紀にわたり政権交代が行われないことは、西欧型民主主義社会では珍しいことでした。
ですので、今回の本格的な政権交代は、日本も西欧型民主主義社会になった証と評価してよいと思います。
ところで、日本は、保守合同以来初めての本格的な政権交代を経験しました。
初めてのことには、期待もありますが、不安もあります。
例えば、「無駄を省く」ということで、法テラスの予算が削減される危険性があります。法テラスの予算は、国選弁護人報酬、国選付添人報酬、民事扶助費が含まれています。これまで、これらの、特に国選弁護人報酬、国選付添人報酬をあげるために弁護士会は努力をしてきています。しかし、一般の方には、これらの費用の重要性、いかに低廉であったかの理解があまりないと思われます。ですので、この部分を削減しても、世論の批判を受けにくいかもしれません。
また、刑務所予算を削減することも考えられます。ここも、世論の批判を受けにくいところです。
ところで、ある国の人権レベル・文化レベルを知りたければ刑事手続や刑務所を見ればよいという法諺があります。犯罪者として処罰される人は、ともすればその人格を踏みにじられ、過酷な待遇におかれることが珍しくありません。そのような人々が、その人格を尊重されるような刑事手続・刑務所であれば、一般の市民の人権が侵害されるような社会であるはずがないという意味です。社会の人権感覚がどのようなものであるかが顕著に現れる分野といえます。民主党政権には、この分野を是非前進させてもらいたいものです。
ところで、民主党は、そのマニフェストの政策各論49で、冤罪防止をあげ、その具体策として、取り調べのビデオ録画をあげています。
これまで密室の取り調べの中で多くの冤罪が生まれており、弁護士会も前取り調べ家庭のビデオ録画を要求しています。
是非、民主党政権には、この政策各論49を、早期に実現してもらいたいものです。