熊本の弁護士|交通事故,離婚の山崎法律事務所

損害賠償請求

台風一過

台風一過と言って、台風が通過すると好天に恵まれることが多いようです。
ただ、台風18号では、東日本を中心に被害が出たようです。
さて、「台風の夜」お話しした平成3年に熊本に大きな被害をもたらした台風18号ですが、その被害はすさましいものがありました。
私が住んでいた中古アパートの屋根瓦はことごとく吹っ飛びました。
私の住んでいたアパートだけでなく、台風通過後の当時の熊本では、屋根瓦の供給が間に合わず、屋根にブルーシートをかけていた家屋が多く見られした。
また、私のアパートの前にパチンコ屋の駐車場があり、そこに駐車していた自動車があったのですが、その駐車場に立っていたパチンコ屋の看板が倒れて、自動車が看板の下敷きになったり、電柱が倒れて道の反対側にあるアパートに電柱が突き刺さったりしていました。
私が通っていた熊本大学でも、多くの樹木が倒れ、日差しが差し込むようになって、キャンパスが明るくなっていました。
ところで、屋根瓦が飛んで人に当たったり、自動車に当たったり、ここでのお話のように、看板が倒れて下敷きになって自動車が壊れてしまった場合、その屋根瓦や看板の持ち主に損害賠償を請求できるでしょうか。
実は、大きな台風が来た後の法律相談では、このような相談が割と増えます。
そのようなときには、周りを見てみると良いでしょうと答えることが多いです。
民法717条では、「土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。」と定めています。
この条文は、建物など土地に接着した設備で損害を被った他人に対して、設備の占有者は損害を賠償しなければならないが、占有者に落ち度がなければ、所有者に落ち度がなくても、所有者が損害を賠償しなければならないということを規定しています。
ですので、屋根瓦が飛んで、他人の自動車に傷つければ、その家の占有者に落ち度がなければ、その家の所有者が、その自動車の修理代を支払わなければならないとなります。
ただ、これも無条件にというわけではありません。
設置又は保存に瑕疵があること」が、必要な条件になります。
瑕疵とは、簡単に言えば欠陥のことです。
さて、話を「周りを見てみると良いでしょう。」に戻します。
仮に、台風が通過した後、外に出て周りを見てみて、自分の家の屋根瓦だけが飛んでいて、周辺の家の屋根瓦が飛んでいないのであれば、お宅の家の屋根瓦の設置に欠陥があった可能性があるかもしれないという仮説が成り立ちます。
この仮説が正しいとなれば、そのときに飛んだ屋根瓦で傷つけた自動車があれば、その自動車の修理代を支払わなければならないと思います。
これに対し、平成3年に台風19号におそわれた熊本のように、至る所で、電柱や看板が倒れ、家屋の屋根瓦がとばされているのであれば、自分の家の屋根瓦が飛んだのも不可抗力といわざるを得ないでしょう。
そうなると、そのとんだ屋根瓦で傷つけた自動車があっても、それは自然災害として、仕方がなかったといえると思います。
その意味で、台風の後は、周りを見てみると良いのです。

 

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