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法教育

法教育なるほどセミナー2009

今日、熊本県民交流会館パレアの9階、10階で熊本県弁護士会法教育委員会企画・運営、熊本県弁護士会主催の「法教育なるほどセミナー2009」が行われました。
過去3回は、8月に行われていましたが、夏期講習にいっている生徒が多いなどの理由で、今年は11月になりました。
それでも、10階の中学部は定員いっぱいの生徒さんに来てもらえましたが、9階の小学部は新型インフルエンザの影響もありますが、小学校の体育行事と重なってしまい、予定していた生徒さんには来てもらえなかったようです。
このようなイベントを開催するには、このような行事予定にも目を配らなければならないようです。
さて、中学部は、「-子どもの権利条約20周年記念- もしも名前がなかったら」というテーマで行いました。
この中では、コンサートに行くことを中学校が禁止したという架空の事例を前提にディベートを行いました。
中学生を主体にディベートをするのは、平成19年の「シンデレラ裁判」に続いて2回目になります。
今回のディベートはコンサートに行くことを中学が禁止したという身近に想定できるテーマで、その賛成派と反対派に別れてディベートをしたので、前回よりも盛り上がったと思います。
来てくれた生徒さんたちは熱心に討論をしてくれました。
いつもながらその発想の柔軟性を感じることもできました。
ただ、1つ気になることがありました。
コンサートに行く権利・自由は、子どもの権利条約31条1項により保証されていると考えることができます。
ところで、議論の中に、「自由・権利を主張する前に義務を果たすべきだ。」という議論がありました。
一見すると正しそうです。
でも、この議論は誤りです。
売買契約などで、代金を支払う義務を負っている買主が、代金を支払わずに商品を渡せと要求したとします。
買主は、商品を渡せと要求する権利があります。
しかし、売主は、「商品を渡して欲しければ代金を払え。」といって商品の引渡しを拒むことができます。
これを同時履行の抗弁といいます。
この話の流れだと、「自由・権利を主張する前に義務を果たすべきだ。」という議論は正しそうです。
しかし、契約は、対等な当事者間で結びます。
これに対し、自由・権利を保障する憲法は、国民から国家に対する約束として、国家の行為を拘束するものです。
そこでは、自由・権利は、生まれながらに当然にあるものと規定されています。
自由・権利を主張する前に果たすべき義務というものがありません。
確かに、憲法には、3大義務として、勤労・子女に教育を受けさせる・納税があります。
では、働いていない人、税金を納めていない人、子女に教育を受けさせていない人は、選挙権がなかったり、表現の自由がなかったり、プライバシーの権利がなかったり、居住の自由がなかったり、ということではないですね。
人権と呼ばれる憲法上の自由・権利、条約上の自由・権利は、国家を義務づけることはあっても、国民に対しては無条件に保障されるものです。
このような考え方については、まだ学校ではふれられていないようです。

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