熊本の弁護士|交通事故,離婚の山崎法律事務所

刑事事件

何のために

ここ数年で、刑事裁判は大きくその姿を変えてきています。
ところで、刑事裁判は何のためにあるのでしょうか。
これは人によっていろいろな考え方があるでしょう。
被害者の無念を晴らして被害者感情を満足するためであるという考え方もあるでしょう。
では、被害者のいない薬物の自己使用の事件は、無理に刑事裁判にする必要はなく、反則金制度のような行政処分にしてもよいかもしれません。
秩序を維持するという役割を果たしているという側面は無視できません。
犯罪を犯せば処罰されるということを社会に明らかにして、犯罪を抑止するという機能はあると思います。
また、無実の人を誤って処罰しないように、事実関係を証拠により明らかにするという機能もあります。
では、事実関係を争っていない被告人にとっては、どのような機能があるでしょうか。
犯罪を犯した人は、死刑になったり、獄中で死亡したりする例外を除いては、社会に戻ってきます(「子どもの人権 秋のフォーラム『子どもの立ち直りを支える大人たち』」)。
この社会に戻ってきた人がすべてまた犯罪を犯すのであれば、社会の犯罪は増え続けるだけですし、税金を費やしてまで、刑事裁判をしたり、刑務所に収容したりすることは何の意味もなくなります。
この社会に戻ってきた人の中で、もう2度と犯罪をしない人が増えていけば、犯罪が減る可能性が出てきます。
刑事裁判は、犯罪を犯した人の立ち直りの1つの切っ掛けになることができる制度だと思います。
だから、多くの税金を費やしてまで、事実関係を認めている被告人についても、刑事裁判を行う意味があると思います。
これは、裁判員裁判でも同じことが言えます。
裁判員裁判を受けた被告人にとって、それが立ち直りの切っ掛けになることが必要です。
仙台地裁で行われた強姦致傷事件の裁判員裁判で、男性裁判員が「検事の質問に当たり前の答えしか返ってこない」「反省するのが一番じゃないですか」などとたたみかけ、被告人が無言のままでいると、「むかつくんですよね。昨日から聞いていて」と、大声を出したという出来事がありました。
この男性裁判員は、正義感の強い方だったのでしょう。
ただ、被告人に対する感銘力、この裁判員裁判が被告人が立ち直りの切っ掛けになるかという視点で考えると、非常に残念な出来事でした。

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