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刑事事件

川崎協同病院事件最高裁決定

川崎市の川崎協同病院で、平成10年、担当医師が気管支ぜんそくの発作で意識不明状態だった男性患者の気管内チューブを抜き、筋弛緩(しかん)剤を投与した後に、この男性患者が死亡した事件について、最高裁は、殺人罪として懲役1年6月、執行猶予3年とした東京高裁の有罪判決を支持し、被告人の上告を棄却しました。
この事件は、死期が迫り、激しい病苦がある病人に対し、積極的にその本来生存できる期間を短くすることができるという安楽死が許されるのか、また、終末期医療において、医師はどこまで患者の延命義務があるのかという点で、最高裁での初めての判断として、注目されるものです。
そして、最高裁は、「余命を判断するための検査が行われなかったうえ、入院からまだ2週間しかたっておらず、回復の可能性について的確な判断を下せる状態ではなかった」と指摘しました。そのうえで、「家族は適切な情報を伝えられないまま治療の中止を要請しており、推定できる、患者本人の意思に基づくとはいえない。管を抜いたことは法律で許される行為にはあたらない」と判断したと報道されています。
この報道のとおりであれば、安楽死や終末期医療における治療中止が認められる余地があると考えてよいと考えることができます。
ところで、この安楽死や終末期医療における治療中止については、脳死者からの臓器移植と同じように、それぞれの人の「生きること」に対する価値観、世界観が反映される問題であり、単純には結論が出ないと思います。
私の妻は、平成20年8月13日に2度目の開腹手術を受けましたが、その時に私は医師から長くて6カ月だろうという余命宣告を受けました。
その後、私の妻は、抗がん剤治療による重篤な副作用が起きたり、症状が進行したり、何度か生命の危機に直面しました。
その度に私は医師から呼ばれ、延命措置をしないことの理解を求められました。
がん末期の患者の場合、ドラマなどのように人工呼吸器で延命措置をとることはほとんどないそうです。
それは、交通事故で意識不明の状態と異なり、がん末期では、人工呼吸器で延命しても、その後に続く治療がないからだそうです。
その時、私たちの娘は、1歳でした。
きっと、娘に母親の記憶は残らないでしょう。
私は、できるだけ長く私の妻に生きていてほしいと思っていました。
私は、私の妻について、安楽死や終末期医療における治療中止など選択肢に入らなかったと思います。
私自身がそのような状態になったら。
娘がある程度成長していて、私が抱えている案件について他の弁護士に受け継いでもらっていれば、終末期医療における治療中止に同意するかもしれません。

やはり、その時にならなければわかりません。

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