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刑事事件

大阪地裁無罪判決が意味するもの

昨日、大阪地裁の放火被告事件で、取調DVDを証拠調べしての無罪判決が出ました。
これはとても画期的なことだと思います。
これまでも取調DVDの証拠調べをした裁判所はいくつかあるのですが、どれも有罪判決だったように思います。
何となく、被告人・弁護人の主張も検討したんだよというアリバイとして被告人・弁護人の請求した取調DVDを証拠調べをしているような印象を受けていました。
それが、今回は、きちんと取調DVDを証拠調べして、その結果として無罪判決を下したのですから、とても画期的といえるのです。
裁判官も、検察官も、弁護士も、司法試験という試験に合格し、司法研修所という機関が実施する司法修習という研修を受けなければ、その職に就くことができません。
その司法修習は、私たちの少し後の代までは、前期修習・実務修習・後期修習に分かれていました。
前期修習と後期修習は、司法研修所で行われる修習で、実務修習ではそれぞれの赴任地で民事裁判修習・刑事裁判修習・検察修習・弁護修習が行われます。
この中で、検察修習では、司法解剖に立ち会ったりもしますが取調修習が中心になります。
取調修習というのは、司法修習生が、指導担当検察官の指導の下に被疑者の取調を行うというものです。
そこでは、インタビューのような取調は行われませんし(私や私の同期の裁判官のようにインタビューのような取調をすれば叱られます。)、刑事ドラマのような被疑者が淡々と話していく内容を書き留めるような取調も行われていません。
「優秀な」司法修習生であれば、相手に「はい。」以外の答えをさせないような質問をしていき、それを、さも相手が自ら淡々と話しているかのような供述調書を作成していきます。
供述調書というのは、取調官の作文です。
裁判官もそれを知っています。
でも、どういう訳が自白調書の任意性を争っても、裁判官は任意性を否定してくれません。
自白調書というのは、被告人が起訴された事実を認めている内容の供述調書です。
そして、任意性というのは、被告人が自らの意思で述べていることという意味です。
この自白調書の任意性を争うことで、裁判は多くの時間を費やしますし、きわめて技術的な判断が必要になります。
それが、取調DVDを証拠調べすれば、一目瞭然となります。
きっと、裁判員の負担も軽くなるはずです。
昨日の大阪地裁無罪判決でも、取調の可視化がとても大切なものであることがわかります。

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