熊本の弁護士|交通事故,離婚の山崎法律事務所

刑事事件

時効制度廃止

昨日、法制審議会が法務大臣に対し、一定犯罪の時効制度の廃止・延長を答申しました。
私が日弁連の刑事弁護センターの全体会議に出席していたころです。
時効には、大きく刑事手続上の時効と民事上の時効があります。
刑事手続上の時効には、公訴時効と刑の時効があります。
今回、廃止・延長が答申されたのは、公訴提起をいつまでできるかという公訴時効です。
きっと、BIGLOBEなどのインターネットのポータルサイトでの意見では、この公訴時効の廃止を歓迎する書き込みが圧倒的多数ですね。
きっと、この方たちは、警察・検察に対する絶対的な信頼を置いているのでしょうね。
警察・検察は間違いはしない、警察は真犯人以外の者を逮捕しないし、検察は真犯人以外の者を起訴しないという。
もしそうなら、よほど幸せな思考回路か、世の中の出来事に無頓着なのでしょう。
憲法が、国民に裁判を受ける権利を保障し、刑事訴訟法が、三審制・再審制を採用しているのは、、真犯人でない者が逮捕されて処罰されてきたという歴史的教訓に対する反省なのです。
また、最近でも、氷見事件・足利事件では、他に真犯人がいるのに、逮捕され、起訴され、有罪判決を受け、服役までさせられている方がいます。
この現実はみていないのでしょう。
すなわち、誰でも、やってもいない犯罪で逮捕され、起訴され、有罪判決を受け、服役する危険を持っています。
だから、憲法は、国民に弁護人選任権などの刑事手続上の権利を保障しているのです。
ところで、公訴時効が廃止された場合、国民の防御権はどうなるのでしょうか。
氷見事件・足利事件・志布志事件などの冤罪事件を知っている方なら、決して、警察・検察が中立な立場でそうさをし、起訴しているのではないことは理解できると思います。
警察・検察は、特定の者(被疑者)を逮捕・起訴するという前提で捜査方針が固まると、被疑者の言い分を言い逃れとしか聞かなくなります。
足利事件の取り調べで、菅谷利和さんが検察官に言われたように、いくらやっていないという真実を話しても、嘘と断定して、「本当のことを言ってください。」と言われてしまいます。
これほど空しいやりとりはありません。
何もしていなければ、警察・検察が分かってくれるというのは、脳天気な楽観主義としか言いようがありません。
しかも、ご丁寧に、氷見事件・足利事件では、何もしていない人に対し、裁判所が有罪判決まで宣告してくれています。
何もしていなくても、警察・検察はもちろん裁判所も分かってくれません。
ところで、無罪判決を受けるのにもっとも強い武器にアリバイがあります。
アリバイというのは、事件が起こったとされる日時に、事件現場にいなかったことの証明です。
無罪事案の中には、事件が起こったときに免許センターで試験を受けていたというアリバイが認められたものがありますし、また、事件が起こったときに、その事件現場から遠く離れた路上で交通違反切符を切られていた事実が証明されたものもあります。
このようなアリバイは、国民の防御権において最強の武器です。
しかし、今現在、平成21年2月25日午前9時に何をしていたかと尋ねられて答えられる人は少ないと思います。
それが、50年前の特定日時になると何をしていたか答えることができる人がいるでしょうか。
これが友人同士の会話では、「そんなもの覚えていないよ。」ですませられます。
しかし、取り調べになると、「そんなもの覚えていないよ」ですますわけにはいかなくなります。
そうなると、国民は、どうやって防御をすればよいのでしょう。

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