熊本の弁護士|交通事故,離婚の山崎法律事務所

刑事事件

裁判員裁判の功績

裁判員裁判について、私の知る限り、刑事弁護人は懐疑的です。
マスコミは、裁判員裁判は日弁連が積極的に導入を主張したものだといいますが、現実に導入された裁判員裁判は、日弁連が導入を求めていた裁判員裁判とは違っています。
そして、これまでいくつか行われてきた裁判員裁判では、これまでの量刑相場から考えて重いと感じられるものが多かったことから、刑事弁護人はより一層裁判員裁判に懐疑的になっていったと言えます。

もちろん、私も金曜日に出た裁判員裁判の判決を楽観視してはいませんでした。
検察官求刑を超える判決が出ることもあり得る、そこまで行かなくても検察官求刑通りの判決が出ることもあり得ると考えていました。
その中で、できる限り、理性的な主張を心がけました。
これに対し、検察官の主張は、情緒に訴えるものであったように感じられました。
一般の方が論告と弁論に対して持っている印象と逆だったように思います。
その中で、10年の検察官求刑に対して7年という判決が出たのは、検察官が請求した防犯カメラのDVDの上映の影響が大きいと思います。
このDVDには流血シーンも移されていて、弁護側に不利益に作用する危険性もありました。
この事件は、コンビニ強盗で、抵抗した店員を刺したという強盗傷人でした。
私たち弁護人は、この刺した行為に計画性がないと主張していました。
ところで、これまでの職業裁判官のみの裁判では、防犯カメラからプリントアウトした写真が提出されるだけで、計画性がないことは被告人の供述しかないということになりかねませんので、きっと、被告人の供述は信用できないといわれて、検察官が主張するように、店員を刺した行為にも計画性を認められていたかもしれません。
ところが、裁判員裁判ということで、裁判員にもわかりやすいように証明しようということで、DVDが上映されたわけです。
そして、このDVDにより、事件の客観的な事実が証明されることになり、結果的に、弁護側の主張も証明されることになりました。
ところで、弁護側の主張を証明できる部分は、注意してみなければ見落としてしまいそうなシーンでした。
そこで、情状証人の質問や被告人質問で、ことあるごとにそのシーンにふれて、裁判員の注意を喚起しました。
そのため、検察官も被告人に対する反対尋問でそのシーンにふれてしまい、裁判員の注意を向けることができました。
裁判員裁判でなければ、弁護側の主張を証明することは難しかったと思います。

ところで、裁判員裁判では、裁判員に法廷で出てきた情報だけで判断してもらうということを徹底しています。
そのため、今回の裁判のように、写真やDVDが法廷のモニターに映し出されます。
当然、傍聴する人にも、これまでの刑事裁判と比べようもないほどわかりやすくなっています。
きっと、興味深く傍聴することができると思います。

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