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刑事事件

裁判員裁判での検察官控訴

千葉地裁で6月22日、裁判員裁判としては初めて、全面無罪判決を言い渡した覚せい剤取締法違反(営利目的輸入罪)被告事件で、検察官が控訴する方針を固めたという報道が流れました。
熊本地裁での裁判員裁判の事件でしたが、判決後に被害弁償をするなどしたのですが、福岡高裁は、被告・弁護側の控訴を棄却しました。
少なくとも、福岡高裁では、裁判員裁判での判断を最大限に尊重するという方針らしいです。
そういえば、この控訴審が開かれる東京高裁でも、裁判員裁判での判断について量刑不当を理由とする被告・弁護側の控訴が棄却されていました。
高裁が気安く裁判員裁判の判断を覆すと、裁判員のモチベーションに悪影響を与えるとの判断のようです。
しかし、今回は検察官控訴です。
東京高裁はどのような判断を下すのでしょうか。
検察官控訴であれば、裁判員裁判の判断を覆すのでしょうか?
裁判員裁判と似て非なる制度に陪審員裁判があります。
裁判員と異なり陪審員は事実認定のみを行い、量刑判断はしません。
陪審員裁判では、事実認定と量刑判断の役割分担ができています。
さらに、陪審員裁判では、検察官控訴は認められていないそうです。
米国であったシンプソン事件についてご存じの方も少なくないと思います。
陪審員裁判の結果、無罪となりました。
無罪と無実は違う概念です。
これを米国国民は知っているのだと思います。
少なくとも、陪審員になった米国国民は知っていました。
そして、このシンプソン事件では検察官控訴がなされませんでした。
しかし、日本は違います。
少なくとも、検察官は、無罪と無実を区別していないように思います。
多くの刑事訴訟法の教科書に「たとえ9人の有罪の人を逃すとしても、1人の無罪の人を処罰してはならない。」という法諺が書かれています。
しかし、「1人の有罪の人をも逃さない。」と考えている検察官は少なくありません。
もしかすると、刑事裁判官の中にも、このように考えている人がいるかもしれません。
「1人の有罪の人も逃がさない」ためにはどうすればよいか?
必然的に有罪と疑って話を聞いたり、捜査をしたりします。
いくら真実を語っても、「騙されないぞ」と、検察官は考えて聞きます。
氷見事件、足利事件が繰り返される危険性がある環境は、本質的には変わっていません。
話はそれましたが、検察官控訴に対し、東京高裁がどのような判断をするのか、興味を持って見守りたいと思います。

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