熊本の弁護士|交通事故,離婚の山崎法律事務所

刑事事件

人生の最期の時まで

耳かき店員殺人事件の裁判員裁判の判決は無期懲役でした。
「他者の命を奪ったものは、その自らの命で償うべきである。」
「被害者、遺族の無念を考えるべきである。」
きっと、今日の判決を聞いてそのように考えた人も少なくないでしょう。
世論調査では、80%以上の国民が死刑を支持しているそうですので、件のように考える人は少なくないどころが、きっと多いのでしょう。
裁判員の1人も、裁判員になる前は、殺人事件のニュースをみると、死刑にすればよいのにと思っていたそうです。
しかし、自らが判断を下す立場になると、死刑の判断をすることの難しさを感じたようです。
裁判員裁判では、多数決で決めますが、多数派に1人以上の裁判官が含まれている必要があります。
ですので、裁判員全員が死刑を選択したとしても、裁判官全員が死刑を選択していなければ死刑判決は出ません。
しかし、今回の裁判員裁判では、そのような多数決での分かれ方ではなかったようです。
人の命は尊い。
現実の人間を前にして、その人間の命を奪うと言うことは、とても重大なことです。
江戸時代は十両を盗めば首が飛ぶと言われました。
人の命の価値が十両そこらであった時代がありました。
犯罪者の命でさえも大切に考えることができる社会は、弱者の命を大切に考えることができる社会といえます。
「他者の命を奪った者は、その自らの命で償うべきである。」とか、「被害者、遺族の無念を考えるべきである。」というような、皮相的な命題で死刑判決が下せるほど、その判断は軽いものではなかったようです。
今日の判決は述べています。
「人生の最後の瞬間まで、なぜ事件を起こしてしまったのか、自分の考え方や行動のどこに問題があったのかについて、常にそれを意識し続け、苦しみながら考え抜いて、内省を深めていくことを期待すべき」と。

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