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雑談

死ぬ権利

自殺者が昨年より減少したものの、13年連続3万人を超えるそうです。
大学院の法哲学ゼミで、中村直美教授と「死ぬ権利」について議論したことをふと思い出します。
日本語では、「権利」と「正しい」という言葉は別の言葉です。
しかし、欧米では、「権利」と「正しい」は同じ言葉です。
どちらも、英語では、RIGHT、仏語ではDROITといいます。
権利を行使することは正しい行為ですので、これを阻むことは不法や違法の評価を与えられてしまいます。
年末にあったディベイト番組で、ある評論家が、犯罪の被害者には復讐する権利があると主張していましたが、仇討ちが認められていた江戸時代でも、それは武士の特権でしたし、仇討ちを実行するための要件が厳しく定められていました。
仇討ちで有名な赤穂四十七士も、最期は罪人として切腹しています。
赤穂四十七士は、仇討ちの要件を満たしていなかったのです。
復讐する権利を概念するには無理がありそうです。
ところで、仮に「死ぬ権利」があるとすれば、自殺しようとする人を止めることは、不法行為又は違法行為になってしまいます。
ただ、「死ぬ権利」を説明することは、復讐権を説明するよりも、理論的です。
つまり、権利には、それを行う権利の側面とともに行わない権利としての側面があります。
例えば、表現の自由には、何らかの表現をする自由の側面とともに、何らかの表現もしない自由の側面があります。
憲法には、生存権があります。
これは生きる権利です。
すると、生きることをしない権利としての側面があるとも考えられる余地はあります。
理論的には、生存権の消極的側面としての「死ぬ権利」です。
大学院の法哲学ゼミでは、憲法上の権利・自由は、生きようとする人を前提としているので、「死ぬ権利」を考えるのは背理だという一応の結論になりました。
自殺しようとする人を止めても、不法行為にも違法行為にもなりません。
ところで、自殺を人に勧めて自殺させたり、他人の自殺を手伝うと、自殺教唆・自殺幇助という犯罪になります。
また、賃借しているアパート、マンションで自殺をすると、保証人・相続人が賃貸人から損害賠償請求をされてしまいます。

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