熊本の弁護士|交通事故,離婚の山崎法律事務所

雑談

兼続裁定

先日、支部の裁判所に移動している車の中で、カーラジオから兼続裁定なる逸話の話が流れてきました。
兼続裁定の兼続は、上杉家家老の直江兼続のことです。
その逸話は以下の通りです。
「兼続の家臣が下人を無礼討ち した。すると、その遺族たちが兼続に『あれの粗相は何も無礼討ちにされるほどのものではなかった』と訴え出た。兼続が調べてみると遺族の訴えの通りだったので、兼続は家臣に慰謝料を支払うように命じた。しかし遺族たちは下人を返せと言って譲らない。兼続は『死人は生き返らないのだから、慰謝料で納得してくれないか』と言ったが、遺族たちはあくまでも下人を返せと言い張る。すると兼続は『よしわかった。下人を返して取らそう。だが、あの世に遣いにやれる者がおらぬゆえ、すまぬがそのほうたちが行ってくれぬか』と言って遺族3人の首をはね、その首を河原に晒してその横に立て札を立て、そこに『この者どもを使いに出すから死人を返せ 慶長二年二月七日 直江山城守兼続判』と閻魔大王への嘆願書を書いたという。」
死んだ者を返せという遺族たちの訴えは、その言葉だけを聞くと、死んだ者が帰ってくるわけがないのですから、いかにも理不尽ないいようです。
しかし、その真意はどうだったのでしょうか。
身分制度の存在その者に対する不満があったのかもしれませんが、何よりも理不尽に殺された者に対する償いとして不十分であったのかもしれません。
心からの謝罪が欲しかったのかもしれません。
この逸話は、直江兼続を称える逸話として紹介されていましたが、被害者の心情に対する理解を欠いた行動のような気がします。
裁判には相場的なものがあります。
その相場的なものを大きく超えた請求などは理不尽な請求のように考える裁判官もいるかもしれません。
しかし、そこから一歩進んで、被害者である請求者の無念に思いをいたしてもらえれば、よりすばらしい裁判になるのでしょう。

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