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雑談

先ず隗より始めよ

中国の古典「戦国策 燕策」に以下のようなエピソードが載っています。

燕の人は、太子平を即位させ君主としました。
これが昭王です。
昭王は戦死者を弔い、生還者を見舞い、へりくだった言葉を使うようにし、給料を上げ、それによって賢者を招こうとしました。

昭王は、郭隗に、「斉はわたくしの国、燕の混乱に乗じてこの国を襲い、破りました。私は燕が小さく、この恨みに報いるのに国力が足らないことをよくわかっています。ぜひとも賢者を得て、その者たちと国を共同で治め、それによって先王の恥をすすぎたい。これが私の願いです。先生はいい人を紹介してください。ぜひともその人に師事したいと思います。」と尋ねました。

郭隗は、昭王に、「昔の君主に、千金もの大金を持たせ、宮中の雑用や清掃を行う涓人という役人に命じて、一日に千里も走るというほどの名馬を買い求めようとした者がいました。涓人は死んだ名馬の骨を五百金で買って帰りました。その君主は怒りました。涓人は、『死んだ馬でさえ五百金もの大金で買うのです、まして生きた馬はなおさら高く買うでしょう。名馬はすぐに来るに違いありません。』と言いました。まる一年もしないうちに、一日に千里も走るという名馬が三頭も来ました。もし王が優れた人材を燕に招致したいと思うならば、まず私、隗から優遇し始められよ。まして、私より賢い者が、千里の距離をものともせずに来るにちがいありません。」と答えました。

そこで、昭王は郭隗の為に立派な御殿を改築し、彼に師事しました。

すると、天下の賢士は争って燕に向かいました。


「先ず隗より始めよ」という故事成語の元になった話です。
東大法学部が定員割れしているそうです。
私は、熊大法学部の出身ですので、東大法学部が定員割れしたことを嘆くわけではありません。
ところで、この東大法学部は、多くの人材を官僚・法曹界に送り出してきました。
そして、東大法学部の定員割れは、官僚・法曹志望者の減少が原因と考えられています。
官僚志望者の減少についていえば、最近の公務員バッシングやこれを受けた公務員改革の影響を無視できないでしょう。
法曹志望者の減少は、裁判官・検察官も国家公務員ですので、公務員改革の影響を受けますし、弁護士については司法改革の名の下に行われる無秩序な大増員により、司法修習を終えても勤務先事務所がないことから登録さえできないものもいる現状が影響しているのでしょう。
中国の戦国時代の昔から、優秀な人材を集めるには、それなりの「うま味」が必要であることは説かれています。
今の官僚・法曹界に、優秀な人材を集めることができるだけの「うま味」があるのでしょうか。
見識のかけらもない一部マスコミは、大衆が喜ぶことをいいことに官僚批判を展開し、弁護士大増員を推し進めようとし、大衆迎合的な政治家は票を集めるためにこのような流れに乗っています。
しかし、官僚に優秀な人材を集めることができなければ、この国の未来はどうなるのでしょうか。
法曹に優秀な人材を集めることができなければ、国民1人1人の権利・利益を誰が守ることができるのでしょうか。
東大法学部の定員割れについて、官僚・法曹界が優秀な人材にとっての魅力を失ったものではないことを願います。

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