熊本の弁護士|交通事故,離婚の山崎法律事務所

刑事事件

まんだらけ考

アンティークおもちゃ専門店「まんだらけ」から鉄人28号の人形を万引きした人が逮捕されたそうです。
盗品の鉄人28号は、別の店に売却されていたそうです。
私の経験では、この鉄人28号の人形は「まんだらけ」に返還されるでしょう。
無償で。
すると、この万引きの形式的な被害者は「まんだらけ」ですが、実質的な被害者はこの鉄人28号の人形を6万4、000円で購入した別の店ということになります。
この別の店は何も得るものがないのに6万4、000円を失ったのですから。
では、今回の万引きをした人は、、この店にどの程度の金額を弁償するべきでしょうか。
6万4、0000円という回答はあり得ます。
私が弁護人として、盗品を購入した中古品店に対して、実質的な被害弁償を申し出たことがありました。
そのとき、その中古品店に、盗品を購入した金額の2倍程度の金額を示され、その金額でなければ被害弁償に応じないといわれてしまいました。
その中古品店曰く、中古品を購入する段階で、売価を決めているそうで、その売価分が損害になるそうです。
ですので、鉄人28号を購入した別の店に対して、被害弁償をするとすれば、「まんだらけ」が買い戻すとしても、6万4、000円ではとても足りない可能性は十分にあります。
ところで、「まんだらけ」は、顔にモザイクを施した画像を公開し、期限までに鉄人28号の人形を返還しなければ顔に施したモザイクを外すと述べていました。
これは、恐喝行為ではないでしょうか。
今回は、万引きされた鉄人28号の人形を取り返すためではありますが、正当防衛などが成立するときを除き、一端盗まれた物を盗み返すことは違法です。
窃盗、詐欺、恐喝などの犯罪は、そこにある物の外形的に安定した状態を守ることを目的にしています。
盗まれたとはいえ、その物について外形的に安定した状態が生まれると、たとえ持ち主であっても、これをみだりに犯すことができません。
さらに、ネット上で、万引き犯としてその顔をさらすことは、全世界にその情報が拡散する危険性あり、かつ、アップロードしたものであってもその情報を完全にネット上から消去することができません。
そのような害悪を告知して、物の交付を要求するのですから、恐喝行為だと思います。
万引き被害に悩まされる店側の自衛行為という評価もあり得るでしょう。
しかし、法律を尊重し、法律に従った解決を図ることが法治国家です。
そのような法治国家では、法律の手続によらずに自らの権利・利益を守ったりする自力救済は原則的に禁止されています。
犯罪の被害に遭いながら、その被害を回復するために自ら犯罪を犯してしまっては意味がありません。

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