熊本の弁護士|交通事故,離婚の山崎法律事務所

交通事故

理屈だけではない話

私は弁護士です。
弁護士は理屈、特に法律の理屈で問題を解決することを業としています。
しかし、理屈だけでは解決できない手続があります。
交渉というのは、理屈だけでは解決できない手続だと思います。
訴訟手続のような裁判官という第三者が判断する手続の場合、この第三者である裁判官を説得しなければなりません。
そこでは、法律の理屈に叶った主張をしたり、この主張を裏付ける証拠を提出して、有利な判断を求めます。
しかし、交渉では、違う仕組みがあります。
交渉では、提案を受けた人に決定権があります。
ある物を100万円で売るという提案をしたとき、その提案を受けた人が、その物を100万円で買うと決定をすると、この提案に基づいて合意が成立します。
交渉が成立するということです。
提案を受けた人が拒否すれば、交渉は成立しません。
このようにお話しすると、当たり前のことと聞いていただけると思います。
しかし、その当たり前のことが当たり前と思えなくなることがあります。
たとえば、交通事故の示談交渉です。
加害者の保険会社から示談案が提案されます。
その案で示談を成立させるか否かの決定権は被害者にあります。
しかし、これに対して、その示談案からの増額を要求するとき、これは被害者からしますので、その決定権は加害者の保険会社にあります。
いくら、その金額が予想される判決から見ても相当であると思われても、保険会社が是としなければ、増額した金額で示談は成立しません。
だから、いわゆる「査定」的な意見のみを得ることはほとんど意味がありません。
その「査定」された金額を持って保険会社と交渉しても、示談交渉が成立することはほとんどありません。
そのため、被害者を代理して自賠責を越える示談交渉をすることができない行政書士や自治体の相談員は「査定」的な意見を言わないようです。
交渉というのは、交渉当事者双方が、それぞれメリットを感じなければ、交渉は成立しません。
自らの要求を相手に丸呑みさせる手続ではありません。
その要求を丸呑みしてもメリットがあるような場合でなければ、相手は丸呑みしません。
法律の理屈が通れば相手は要求をのむなんてことはほとんどありません。
ごめんですめば警察はいらないという言い回しがありますが、交渉が法律の理屈だけで成立するのであれば裁判所はいりません。
離婚や相続の調停も同じです。
調停は、裁判所の調停委員が間に入る交渉です。
調停委員が裁判官のように決定することはありません。
調停の相手方が提案を受け入れることができなければ、調停は成立しません。
調停では、法律の理屈を知っているべきです。
しかし、法律の理屈だけで調停を成立させられるわけではないと思います。

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