熊本の弁護士|交通事故,離婚の山崎法律事務所

刑事事件

線路逃走

日付が変わって昨日(平成29年5月11日)は、毎月恒例の日弁連(日本弁護士連合会)の会議で、東京に出張していました。
羽田空港から東京モノレール、JR(山手線、京浜東北線)、東京メトロ(丸ノ内線)を乗り継いで、霞ヶ関駅のB何番かの出口から出ると、弁護士会館の地階入口から弁護士会館に入ることができ、ほとんど空の下に出ることなく移動できます。
気候に左右されることなく移動できることは助かります。
ところで、11日朝、痴漢の疑いをかけられた男性が、新橋駅から線路に降りて走って逃げたそうです。
新橋駅は、私が羽田空港から弁護士会館に向かう途中にある駅ですので、もう少し早く東京に着いていたら、この騒動に巻き込まれていたかもしれません。
ところで、私は、身に覚えがないのに、痴漢の疑いをかけられたときには、速やかにその場から逃走するべきだと考えています。
痴漢冤罪を取り上げた、周防正行監督による「それでも僕はやっていない」は、決して誇張したフィクションではありません。
あの映画のようなことは、日常茶飯事に起こっています。
そして、痴漢されたという女性の前で、いくら身の潔白を証明しようとしても無理です。
安倍晋三首相が「悪魔の証明」という言葉を使ったので、この言葉を知っている方も増えたかもしれませんが、「存在しない」ものを「存在しない」と証明することは不可能に近いことです。
理屈には、痴漢したと疑ってる人が、疑われている人が痴漢をしたことを証明しなければなりません。
しかし、現実には、無罪の人が、自らの無罪を証明しなければならないような構造になっています。
痴漢冤罪も例外ではありません。
そして、逮捕されると、無条件で72時間は身柄を拘束されます。
家に帰ることも、仕事に行くこともできません。
そして、さらに10日間、場合によってはさらに10日間、身柄を拘束されます。
これを勾留と言います。
勾留は、検察官が公判請求(起訴)した後も続きます。
起訴されると、保釈といって、身柄を解放される制度はあるのですが、起訴された事実について、無罪を主張していると、裁判所は保釈を認めてくれません。
無罪を主張している人は、本当に無罪かもしれないわけですから、早く身柄を解放する必要があるはずなのに、裁判所は、無罪を主張しているという理由だけで、保釈を認めません。
誤解を招く表現ですが、初犯の痴漢程度であれば、たとえ有罪であっても、執行猶予がついて、刑務所に行かなくてもすむ可能性は十分にあります。
それでも、裁判所は、保釈を認めないのです。
そして、刑事裁判の有罪率は、99%です。
すると、痴漢と疑われたときには、とりあえず死にものぐるいで逃げるのが一番良い選択肢だと思います。
ただ、線路を逃げるのは、とてもリスクがあります。
線路を逃げることは、当然のことながら、列車の運行に影響を与えます。
それによる損害が発生します。
損害が発生すれば、賠償を求められます。
その金額たるや、一般的なサラリーマンの年収を遙かに超えるはずです。
そのような損害賠償請求裁判が起こされたというニュースはまだ聞いていません。
しかし、鉄道会社も対策をすることでしょう。
鉄道にも防犯カメラを設置する日も遠い将来でないかもしれません。
もう少し賢い逃げ方を考えなければならないでしょう。
 
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