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労働事件

パワハラ裁判が変わるかも

神戸市の小学校での教職員による教職員に対するいじめが本当にあったのであれば、学校現場での意識に低さを感じます。
会見した校長の「嫌がっているとは思わなかった」「仲が良いと思っていた」は、児童・生徒同士のいじめで学校がよく口にする言葉でもあります。
いじめをしていた教職員も、道徳授業などで、人権教育をしたり、いじめはいけないと教えていると思われるのですが、本当にいじめをしていたのであれば、その教えている内容は他人事、自らの行動に照らし合わせることをしなかったのでしょう。
ちなみに、同じハラスメントという言葉ですが、セクシャルハラスメント(セクハラ)とパワーハラスメント(パラハラ)では事情が違っていました。
セクハラについては男女雇用機会均等法で、事業者にセクハラ防止措置義務を課しています。
すなわち、事業者は、職場でセクハラが起こるかもしれないことを予想して、相談体制など必要な体制を整えておくことが義務づけられています。
セクハラが行われれば、事業者は賠償義務を負うことになります。
パラハラには、セクハラにおけるような法律がありませんでした。
パワハラが行われても、事業者にパワハラを防止できる事情がなければ、事業者が賠償責任を負わないこともありえました。
経営者自らパワハラをしているときには事業者の賠償責任を否定されることはほとんどないでしょうが、現場で主任程度の管理職がパワハラをしたときなどでは幹部がその事実を把握できなければ事業者に防止義務を考えることができないということで賠償責任が否定されることもありえました。
神戸市の小学校でのいじめの場合、管理者である(前)校長に報告があっていたそうですから、事業者がパラハラの発生することを防止できていた事情があったといえると思います。
ただ、パラハラについても、平成31年5月29日に、事業者にパラハラ防止義務を課す改正労働施策総合推進法(パラハラ規制法)が成立しました。
セクハラと同じように、パワハラが行われれば、防止義務の議論をすることなく、事業者は賠償責任を負うことになります。
神戸市の小学校のような事案で、校長がいじめを把握していなくても、事業者は賠償責任を負うことになりえます。
このパワハラ規制法が施行されると、パラハラ裁判の風景が変わるかもしれません。
 
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