熊本の弁護士|交通事故,離婚の山崎法律事務所

刑事事件

告訴と被害届

刑事訴訟法189条2項で,警察官が,犯罪があると考えるときには,捜査をすることができると定めています。
この警察官が犯罪があると考えるきっかけになるものを捜査の端緒と言います。
捜査の端緒には様々なものがあります。
例えば変死体の発見であったり,目撃者の通報であったり,警察官が面前で行われる犯罪を認識したり,犯罪を行った人が発覚する前に自ら出頭する自首などが捜査の端緒に当たります。
そして,被害届や告訴も捜査の端緒になります。
被害届も告訴も,被害者が犯罪の被害に遭った事実を申告する点で似ています。
他方で,被害届と異なり告訴では,刑事処分をしてもらいたいという積極的な意思が含まれています。
そのため,告訴では,警察が受理したときには書類,証拠物とともに事件を検察官に送致しなければならず,検察官は起訴不起訴の処分結果を通知しなければならず,起訴しなかった検察官は請求を受ければ理由を知らせなければならないとなります。
被害届では,これらのことはなされません。
被害届では,被害に遭った事実を申告する意味しかありません。
その被害届を受けて,警察が捜査をして検察官に送るかどうかは警察の判断になります。
被害届が出ても警察が捜査をしないこともあり得ます。
このように,告訴と被害届ではその効果に大きな違いがあります。

きちんとした手続を求めるのであれば,被害届よりも告訴の方がよいでしょう。

そして,告訴は,刑事処分を求める積極的な意思の表示ですので,起訴されるまでは,告訴した人は告訴を取り下げることができます。
親告罪であれば,告訴がなければ起訴することができないので,告訴を取り下げることで起訴を止めることができます。
なお,告訴を取り下げた後に再度告訴をすることはできません。
他方で,被害届には,取下げというものがありません。
被害届は,警察官に,被害を受けた事実を知らせるだけです。
知らせたものを取り下げるというのは,聞かなかったことにしてくれという意味でしかありません。
ただ,被害者が被害届けをなかったことにしたいというものをわざわざ処罰しなくてもよいのではないのかとも思います。

一覧ページに戻る
top

熊本の町医者的法律事務所です。
法律の専門家に
お気軽にご相談下さい。