熊本の弁護士|交通事故,離婚の山崎法律事務所

離婚

不貞を許してもらうということ

女優と不貞をした劇団俳優の男性が妻と復縁したいという話が報道されていました。
以前に不貞をした相手配偶者を許すことにはそれなりの覚悟が必要というお話をしています。
今度は,不貞をした側から復縁を求めるお話しです。
不貞をした相手配偶者と復縁をすることも難しそうですが,不貞を下側からする復縁はそれ以上に難しそうだと想像できます。
果たして,相手配偶者が許してくれるのでしょうか。
復縁するには,そこが肝心です。
ちなみに,法律用語で「宥恕」という言葉があります。
宥恕というのは,寛大な心で相手を許すという意味です。
例えば,刑事弁護で,被害者と示談するとき,被害者が許可してくれるときには,この「宥恕」という意味で,もう少しわかりやすく,「寛大な心で許す」という言葉を使った示談書を使ったりします。
ところで,この「宥恕」は,不貞との関係でも重要な役割をします。
戦前の民法には,不貞をした妻を宥恕したときには,夫は妻の不貞を理由に離婚請求をすることができないという規定があったそうです。
これは,一旦相手の不貞を許しておきながら,再びその非行を蒸し返し,優勢靑を主張することは許さないという趣旨のところが重要で,この部分は現行民法にも適用することができます。
つまり,不貞を宥恕すると,後日,その宥恕した不貞を根拠にした有責配偶者の主張や離婚請求が認められなくなる可能性があります。
このような「宥恕」ですので,慎重に判断される傾向にあります。
例えば,不貞下配偶者が謝り倒して同居を回復しても,「宥恕」と評価されにくいと思います。
謝罪されて,「許す」と発言したとしても,それを「宥恕」といえないのではないでしょうか。
「許す」といっても,心の中にもやもやしたものが残って,結局修復されないことはあり得ます。
「許す」との意思が表示された後に,ある程度,通常の夫婦関係を持つことが必要ではないでしょうか。
宥恕により相手の不貞を主張することを許さなかった裁判例(東京高裁平成4年12月24日判決)では,宥恕後45ヶ月間は通常の夫婦生活をしています。
1度謝って,許すと言われただけでは不十分ということです。
件の劇団俳優にはどれほどの覚悟があるでしょうか。

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