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雑談

ウクライナでの戦闘に参加すると

ウクライナに侵攻したロシア軍が思いの外苦戦しているように見えます。
何かしたいとのお考えの方もいらっしゃることでしょう。
できることと言えば,募金とか,救援物資といったものでしょうか。
ウクライナの現地に行って戦闘に加わりたいとお考えの方はいらっしゃらないこととは思います。
ウクライナの現地で戦闘に加わったときには,法律上どうなるのでしょうか。
戦闘というのは,法律的に評価すると,建物を破壊したり,人を傷つけたり,人の命を奪う行為を含んでいます。
人の住んでいる建物に火を放てば現住建造物放火になりますし,人の住んでいない建物に火を放てば非現住建造物放火になります。
爆弾で建物を壊せば激発物破裂になります。
人を傷つければ傷害ですし,人の命を奪えば殺人です。
刑法3条によれば,これらに罪については,日本国民が日本国外で行っても処罰の対象になります。
だから,ウクライナの現地に行って戦闘に加わると,これらの犯罪を犯す危険があり,その処罰を受けるかもしれない。そのように言うことができると思います。
ただ,刑務官が死刑を執行しても殺人にはなりません。消防士が鎮火のために建物を壊しても建造物損壊になりません。警察官が人を逮捕しても処罰の対象となる逮捕にはなりません。
これらは法令行為とよばれるものです。
法令により,それらの行為をすることができると定められています。
しかし,法令に定められていなくても,処罰の対象にならない行為があります。
力士,ボクサー,レスラーなどの格闘技選手がルールの範囲内で相手に加える有形力の行使やその結果怪我をさせても,形式的には暴行,傷害に当たりますが,処罰されません。結果的に死亡させても,傷害致死として処罰されることはありません。そのほかにも医師が投薬したり手術したりする行為は,形式的には傷害ですが,処罰されません。理容師・美容師の調髪なども,髪を切る行為は暴行に該当しますが,処罰されることはありません。
このような行為を正当業務行為といいます。
逃走していた被疑者を数日匿った後に警察に任意出頭させた牧師の行為について,正当業務行為である牧会活動に当たるとして処罰しなかった裁判例もあります。
さて,日本人が外国の正規軍に参加した場合,そこでの行為は当該外国の法令に基づく行為であるとはいえます。
我が国の法令に基づく行為ではないので,法令行為であるとはいえないですが,外国の法令に基づく行為であれば,その国の主権を尊重する観点からも,我が国では正当業務行為と考える余地はあるようには思います。
みなさんはどのように考えられますか。

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